第6章 ハリー・ポッターと謎のプリンス
ロンは意識がはっきりしない中、ハーマイオニーの名前をずっと呼んでいた。
ラベンダーはそれを聞くと大泣きで走り去っていった。
「若い心に、愛の痛みは突き刺さる。さて、行くとしよう。良い看護人がついておる。」
アルバスの言葉に、先生たちは去っていった。
「やっと、って感じね。」
ジニーが私とハリーに言う。
本当に、やっとだった。
私とジニーも立ち去る。
「あの二人がようやくくっつくわねリエル。私もハリーと付き合っているの。……みんな親戚になっちゃったりして。」
「ほんと、そうなったら素敵だよね。」
明るい未来があったら、どれだけ素敵だろうか。
そう思わずにはいられなかった。
数日後、思わぬ人物から声をかけられた。
「やぁリエル。」
「ドラコ!列車で会って以来だね。」
「その後、どう?元気?」
「元気だよ。ドラコは?……顔色が良くないよ。」
「最近、少し疲れてて。」
「……少し、歩こうか。」
ドラコは怯えている。
そう感じた。
「ドラコは綺麗な瞳の色をしているね。」
「ありがとう。リエルの目も……。僕は、情けないやつなんだ。」
「どうして?」
「きっとリエルもそのうちそう思うよ。」
「私は、ドラコを信じてるよ。不器用だけど優しいところとか。」
「……ありがとう。」
「もし、もし辛いことがあった時は、いっぱい泣いて、ご飯を食べるの。そうすればきっとまた笑顔になれるから。」
「その言葉、きっと忘れないよ。」