第6章 ハリー・ポッターと謎のプリンス
「分からないさ。だから、君が寄りかかれる場所にしかなってやれない。」
「寄りかかれる場所なんていらないよ....」
「いや、必要だ。立ち直る必要なんてない。事実は事実だから。でも、心に穴があるのはよくないから....だから俺がその穴を埋めるって決めたんだ。」
「ジョージ....ありがとう。」
「たとえ全部は埋められなくても、少しでも寄りかかれる場所になるから。」
ジョージと話し、少しだけ心の奥底が落ち着いた気がした。
しばらくシリウスの部屋に篭る日々が続いた。
何かをする気力がなく、ただうつ伏せに寝転んだ。
昼はリーマス、夜はジョージが毎日必ず現れた。
「リエル....」
「リーマス、シリウスはどうしてアズカバンにいるの?」
「リエル?何を言っているんだ?シリウスは....」
「大丈夫だよ。私はシリウスが無実だって信じてるから。戻ってきたら話したいことが沢山あるんだ。」
「リエル、しっかりしなさい....シリウスは....もう....」
「シリウスはトマトが苦手なんだよね?じゃあ何かトマトを使わない料理を振舞おうよ。」