第6章 ハリー・ポッターと謎のプリンス
その日の夜、ホグワーツには戻らず、不死鳥の騎士団本部の自室にこもっていた。
昔から私の部屋だったけど、何だか違う部屋に思えた。
なんとなくシリウスの部屋に行ってみる。
いそうな気がしたから。
普通に笑いかけてくれる気がしたから。
コン、コン....
返事はない。
部屋に入ると、シリウスの匂いがそのまま残っていた。
シリウスのベッドに倒れ込むようにうつ伏せに寝転んだ。
しばらくそうしていると、誰かが入ってきた。
「リエル....リーマスが、夕飯だって....」
「ジョージ....」
ジョージがトレーを持ってきた。
「....ごめん、何も食べたくないの....」
うつ伏せになったまま答える。
「そうだよな....ごめん。」
「ううん、ジョージが謝る必要なんてないよ....」
ジョージはうつ伏せになっている私の頭を撫でた。
「気持ちはわかるけど、」
「分かるはずないよ。何度も何度も大切な人達を目の前で殺される痛みなんて....あなたには.......ごめん、忘れて。」