第5章 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
「あぁ、私はずっと君とハリーの側にいるさ。」
「約束して。」
「約束だ。」
寝転がったまま抱きしめ合う。
安心する温もりを感じながら、そのまま眠った。
《シリウスside》
絞るように側にいてと言ったリエル。
彼女の心の中には誰にも触れられない、とても大きな闇がある。
でも、心優しく温かい。
腕の中で静かに眠るリエルを本当の娘のように愛しく感じる。
風邪をひかせてはいけない。
リエルをそっと抱き上げ、リエルの部屋に向かう。
ベッドにそっと下ろし、布団をかける。
「行かないで.......」
起きているのか?
リエルを見ると、確かに眠っている。
寝言か....。
そっとリエルの手を握る。
『シリウス....』
「っ!」
何だ?今、リリーの声が聞こえたような....。
リエルの手に触れたからか?
もう一度リエルの手に触れる。
『シリウス、聞いてちょうだい。』
「リリー?リリーなのか?」
『えぇ。リエルが眠って見ている夢を通じて話してるわ。シリウス、聞いて。リエルの力は膨大すぎる。押さえ込む暗く悲しい気持ちと共に、どんどん大きくなっているわ。今はまだこの子の身体も耐えられているけど、いずれ耐えられなくなって力が暴走してしまう。』
「力が暴走?どうすればいいんだ?」