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君がいた夏

第3章 譲れないマシュマロ【氷室辰也&紫原 敦】


「え!?ちょっと、氷室先輩!?今、なんて!?」

「あれ?聞こえなかった?パーカーを脱ごうかって言ったんだよ」

「あ、そっか!そうでしたねってダメダメ!!私の体型見せらんないです!」

私は両手で自分の身体を隠す。すると氷室先輩が私の耳元で甘く囁いてきた。

「大丈夫。ナナちゃんの水着姿、きっとglamorous(グラマラス)でsexyなんだろうな…。すごく、見たい」

glamorousでsexy、glamorousでsexy…。

この無駄な発音の良さに私の頭の中はこの単語がリピート再生をしまくる。

おまけに先輩の艶っぽい声で言われると思わず脳天が刺激されて自分がおかしくなりそうだ。
勿論、顔は真っ赤。
最早水着も脱いでいいかなって思うようになってしまう。

本当、歩く18禁だよ!!

「そ、そんな私…」

私は両手を頬に当てて返答に困っていると、氷室先輩はまた私にその端正な顔を近付けて、微笑む。

「…顔、そんなに真っ赤にしちゃって。……本当、君って可愛いな」

「へ?あ、あの。せ、先輩!?」

こともあろうことか、先輩の唇が私の唇と近くなっていく。
まるでこれからキスをされるような錯覚に陥入りそう。


キス、氷室先輩にならされてもいいかな……。
そしたら、一生口洗えないかも……。


じゃない、付き合ってもないのにするとか私、何考えてるんだ!
勘違いもいいところだ!!てか、後ろに紫原君いるのに!


そう、私を後ろから紫原君がしっかりホールドしてるため逃げようにも逃げられずどうしようか慌てていたところを紫原君は自分の胸元へ更に私を引き寄せた。


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