第3章 譲れないマシュマロ【氷室辰也&紫原 敦】
その高校生男子らしからぬ色気と王子様みたいなイケメンっぷり。
基本に忠実で洗練されたプレイ。
アメリカ帰りだからか女子の扱いはパーフェクト。
おまけに癖の強い紫原君を自在に扱うほどの面倒見のいいお兄ちゃんキャラで女子達のハートを掴みまくり、毎日告白されてるほど超モテモテだ。
私は彼が転校してバスケ部に入ってきてから、あまりの溢れ出る色気と麗しいルックス、おまけにいい声してるしおかげで人生初の一目惚れをした。
でも、挨拶するだけで精一杯な私…。この前話しかけられたのにあまりにも緊張してすぐ逃げちゃった…。
あぁ、どうしよ。絶対変な子だと思われたよ〜。
私は悶々と過去を振り返りながら、浅瀬で沢山の女達に囲まれている氷室先輩を目で追ってしまった。
「氷室先輩、一緒に遊びましょーよ!」
「いーや、氷室君はあたしと遊ぶの!あんたみたいなブスは引っ込んでなさいよ!」
「ちょっとそこのかっこいいお兄さん、こんなガキとじゃなくてお姉さんとイイコトしよっか!」
氷室先輩はウチの女バスメンバーのみならず、綺麗なお姉様にも逆ナンされて先輩はもう遊ぶどころか女達への対応に追われて、終始タジタジ。
逆に可哀想…。
けど、言い寄ってくる女達のレベルが高くて私には彼に近づくことさえできないのが悔しい。
いつも挨拶するだけで精一杯なのにすごいな皆。あたしももっと痩せてて可愛かったら先輩に近づけるのかな?
指を咥える思いで見てる中、私の視界全体がカキ氷で覆われる。