第4章 闇の彼方まで
彼の瞳が暗く濁り、再び私に冷たい声を浴びせる。
「あのさ………そういうのって、俺を煽るだけだって分かってる?
もう、止めなきゃって思ったけど……やっぱ欲しい……全部。」
そう言うやいなや彼はするすると私の足元に屈み込み、膝裏を掴んで目一杯に開脚させた。
「………っいや」
必死に足を閉じようとしても、やはり彼に捕まれた膝はぴくりとも動かない。
秘部が彼の目の前に晒され、私は気が遠くなる程の恥辱に打ち震える。
…………ちゅく
そこに彼の舌が這わされ、何かを確かめるようにゆっくりと丁寧に舐め回し、そして吸い上げる。
彼はわざと舌に唾液を絡ませて、じゅるじゅると卑猥な水音を立てた。
あまりの羞恥に朦朧としている私を、一瞬にして地獄に叩き落とす言葉が彼の口から放たれる。
「なあ………総司はここ…どんな風に、触った?」
総司……………………?
忘れていた…ううん、考えないようにしていた名前を出され、私の中に鮮明に甦るのは……
沖田さんの顔、沖田さんの声、沖田さんの匂い、沖田さんの温もり…
………もう、会えない。
だって私は汚れてしまったから。
沖田さんに触れてもらう資格なんかもう無いのだから。
こんな事なら、無理を言ってでも沖田さんに抱いてもらえばよかった。
沖田さんに全てを捧げて、全てを奪ってもらえばよかった。
でも…もう遅い。……遅い遅い遅い。
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さよなら………大好きな沖田さん。