第2章 4月の風が靡く頃
「あの…菊さん、私のお願い聞いてもらえますか?」
作り立てほやほやの味噌汁を口にしながら彼に視線だけ送っていた私は、ごくりとそれを飲み込んで器を置く
「ええ。いいですよ…私にできる範囲でしたら」
「実は、」
「フェリシアーノ君、本日はお招き頂戴いたしまして誠にありがとうございます」
「菊~!遠いところわざわざ来てくれてgrazie! ルートももう来てるんだよ、上がって上がってー!」
"菊"さんが招待されていたフェリシアーノ君宅のお茶会に、図々しくも入れ変わって来てしまいました。