第2章 4月の風が靡く頃
「「…ご馳走様でした。」」
合わせるつもりはないのに合った声に2人で顔を見合わせて笑った。
食べている間もお土産話を沢山聞かせてもらいました。
フェリシアーノ君がルートさんを褒めちぎり、照れているルートさんが可愛かったお話。
お腹がいっぱいになったフェリシアーノ君の寝顔をルートさんと2人で眺めていたお話。
途中でアルフレッドさんが乱入してきたお話。
ロヴィーノ君がアントーニョさんとトマトまみれになって現れたお話。
でも、それより、それらを楽しそうにいきいきと話す彼の表情に私は気を取られてしまいました。
「菊さん、」
「…はい?なんでしょう?」
「もしかして今、
『どちらかが本物で、どちらかが偽物なら 私が消える』
…そう思っていませんか?」