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貴方を守る

第1章 憧れの人


「勧誘の時も、入団式の時もそうだった筈だ」

バレていた…

ドンピシャな事を言われて顔が赤くなるのが分かり、思わず俯いた。

「俺の事が気になるのか?」

思わぬ質問に目を見開いてリヴァイの顔を見るとまだ不敵な笑みを浮かべている。

恐怖心…というよりも不気味に思えた。

「その様子だと当たりという事か」

そう言うや否や突然強引に唇を奪われた。

「俺と付き合え」

「はい!?」

リヴァイの言葉に驚くとまたニヤリと笑う。

「上官の命令には従わなければいけねぇんだろ?」

訳が分からずにポカンとしているとリヴァイは何事も無かったかの様に話し続けた。

「俺は今日から旧兵舎に行くから今のうちに言っておく。
俺と付き合え。
他の男に目を奪われるような事があったら俺はそいつを削ぐ。
分かったな」

それだけ言ってコルネリアの返事を待たずに部屋を出て行った。

呆気に取られて立ち竦んでいると今度はハンジが部屋に入ってきた。

「荷物整理は終わったかな…って、どうしたの!?」

様子がおかしいコルネリアを見てハンジは驚いた。

「もしかして、リヴァイに何かされた?」

ハンジが話しかけてきたが状況を呑みこめていないでいる様子のコルネリアを見て悟った様だ。

「リヴァイの奴…初日から何て事したの…」

頭を抱えてため息を漏らすとそっと抱き締めた。

「あいつって奴はほんと困ったもんだね。
実は勧誘の後からずっとコルネリアの事について調べてたみたいでさ。
リヴァイももう少し大人になれば良いんだけど、何せあの性格だからね…」

ハンジの言葉に少し驚いたが顔を見る余裕が無い。

「まぁ許してあげて。
リヴァイが他人に興味を持つなんて滅多に無い事だし、付き合った人なんて居ないから」

「兵士長がですか…?」

辛うじて言葉を出しながらハンジを見ると優しく微笑んでくれた。

「超が付くぐらいの潔癖症でね。
好きでも無い女に触れられるのが大嫌いなんだよ。
それなのにコルネリアに触れたって事はもしかしたら好きなのかもね。
それで何て言われたの?」

「付き合えと言われました…」

「ほんとに!?」

驚いたハンジは抱き締めていた腕を離し肩を掴んだ。

「まさかリヴァイが告白とはねぇ~
これは大事件だね」

嬉しそうに言うハンジを見て『変人だ』と感じてしまった。
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