第7章 帰還
行為が終わった後、コルネリアは物凄い脱力感を感じた。
初めて好きになった人にこういう形で抱かれる事になったのは悲しかったが、エルヴィンに反抗するにはこれしか思いつかない。
「大丈夫か?」
2人で裸のままベッドに横になっているとリヴァイはコルネリアの顔を覗き込み心配そうに見つめてきた。
「…大丈夫です」
そう答えると優しく抱き締められた。
「少々強引で悪かった。
だが、俺はお前と離れるつもりは無いし、別れるつもりも無い。
あいつが別れろと言ってもこれで理由が出来る」
「…そう思い通りに行く物では無いかと…」
コルネリアは力が抜けた体でリヴァイに体を預ける形になっていた。
「心配するな。
後は俺がどうにかする」
「でも、これでもし子供が出来たとしても、私は新兵なので産むことは…」
「許されないだろうな」
言おうとした続きをリヴァイが言った事に驚いた。
「新兵で無ければ問題は無い。
だが、お前は新兵であり医療班の班長だ。
素人しか居ない医療班だと、尚更あいつが易々と除隊を許す筈はない」
リヴァイは腕枕をしてコルネリアの顔を見ずに話した。
その言葉1つ1つが心に突き刺さる。
まだ15歳ではあるが既に体は大人になっている為、いくら初めての行為だとしても子供は出来る。
その子供を産むという事は1度除隊という形を兵団は取るが、医療班で確実な知識を持っているのはコルネリアだけなので許される訳がない。
「もし私の除隊が許されなければ…もしかして…」
「さすがのお前でも分かっているな。
堕胎だ」
そう言うとリヴァイは力強く抱き締めてきた。
「コルネリア、お前には悪い事をした」
「兵長が謝る事ではありません。
もし子供が出来て、それでも除隊を許して下さらなかったら、私は水銀を飲みます」
それを聞いたリヴァイは驚いてコルネリアの顔を見る。
「お前…本気なのか?」
「仕方ありません。
私は兵長が居るからこうして調査兵団に居るのですから。
もし水銀を飲んで、子供が出来ない体になったとしても、私はそれでも構いません」
「コルネリア…」
リヴァイはコルネリアの覚悟を受け止めると額にキスをした。
「どれだけお前は馬鹿なんだ」
「兵長のせいですね」
コルネリアは苦笑いしながら答えた。