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貴方を守る

第1章 憧れの人


荷物整理が終わり備え付けのソファーに座って頭を上に向けて天井を見た。

「1人かぁ…」

訓練兵時代、コルネリアの関心は確かに医学に関する事が多かった。

それは人の体は未知の世界に溢れていて凄く神秘的に思えたからだったが、それ以外は至って普通の成績だ。

体力を付ける為の走り込み、立体機動装置の扱い方、過酷な環境での訓練、そして医学以外の知識。

どれもどうにか合格を貰えたぐらいの程度だった。

幸い医療班に配属された事で大好きな医学を思う存分勉強出来るのは嬉しかった。

しかしいくら医療班と言えど壁外では一兵士。

巨人が目の前に迫って来たら交戦する事もある。

そんな事をぼんやりと考えているとドアがノックされた。

ハンジが迎えに来たのかと思ってドアを開けると、ハンジでは無くリヴァイが立っていた。

「リヴァイ兵士長!」

驚いて思わず大声を出してしまったが彼は気にする事無く話しかけてきた。

「少し良いか」

「ど…どうぞ」

戸惑いながら部屋に招き入れると先程まで自分が座っていたソファーにリヴァイは座った。

「色々聞きたい事があるが、少しだけ質問する」

鋭い目線でコルネリアを見るリヴァイの様子に戸惑いを隠せない。

「確か、お前は医学に関しては優秀だったと聞いている。
あいつから聞いたとは思うが医療班は今お前しか居ない。
それについてどう思う」

淡々と言う彼に少し恐怖心を抱きながらも出来る限りの勇気を振り絞って素直な気持ちを話した。

「新兵である私に医療班を任す事に関しては、正直無理があると思っています」

「ならば断われば良いだろ」

「そ…それは出来ません。
上官の命令には従わなければなりませんし、医療班が1人も居ない状況はあまり良くは無いので…」

そう答えるとリヴァイは更に質問を投げつけてくる。

「壁外では重症を負う奴も居る。
手の施しようが無い時、お前はどうするつもりだ」

「その場合は少しでも楽になれるように大麻を使います」

「状況によって違って来るが、今俺が質問した内容に対しての答えは合格だな」

リヴァイは立ち上がるとコルネリアの目の前に来て、少し見下ろす形になった。

「コルネリアと言ったか。
お前、俺の事をずっと見ていただろ」

「え!?」

突然話の趣旨が変わり驚くとリヴァイは不敵な笑みを浮かべて話した。
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