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貴方を守る

第1章 憧れの人


「そう言えばもうすぐリヴァイ班が出発するけどエレンに会わなくていいの?
まだ時間は少しあるから話そうと思えば話せる…」

「行ってきます!」

ハンジの話を遮る様にコルネリアは答えて急いで兵舎の外へと向かった。

兵舎を出ると同期達が群がっている所があり急いでそこへ向かう。

するとハンジが言った通りエレンは馬に乗り今にでも出発する様だった。

「エレン!」

そう叫ぶとエレンはコルネリアを見て笑顔を見せた。

「コルネリア、久しぶりじゃねぇか!
駐屯兵団に行くと思ってたけど調査兵団を選んだのか」

明るく話すエレンを見て安心する。

「もう行くの?」

「うん。
ここから旧兵舎までは遠いみたいだし、今からじゃないと駄目らしいんだ」

「そっか。
気を付けてね!」

コルネリアは笑顔になるとエレンも笑顔を見せた。

「おい」

背後から聞き覚えのある声がして体が硬直する。

「てめぇら、邪魔だ」

「も…申し訳ありません」

群がっていた同期達が道を開けるとリヴァイは恐怖を感じさせる目つきで歩く。

すると突然立ち止まりコルネリアの方へ視線を移したと思うと脅しともとれる言葉を言い放った。

「さっき言った事は忘れるな」

その言葉で更に体が硬直する。

リヴァイはまたスタスタと歩き馬に乗ると「行くぞ」と短く言って馬を走らせた。

それを見たコルネリアは先程ハンジが言った言葉を思い出す。

「兵士長が選んだ兵士か…」

「どうしたの?」

思わず呟いたのを聞いたのかミカサが話しかけてきた。

「リヴァイ班ってどういう班なのかなって思って」

「あの班はあのチビが指名した兵士しか入れない班。
精鋭が集まる班だよ」

「精鋭…」

それを聞いて少し羨ましく感じた。

兵士長であるリヴァイに指名されるとなれば実力を認められた証でもある。

それに比べて自分は…

「そう言えばコルネリアの部屋はどこになったの?」

「幹部塔だよ」

「幹部塔!?」

いつも冷静なミカサが思わず叫ぶと周りに居た同期がこちらを向く。

「どうした」

話しかけてきたのはジャンだった。

「ジャン、コルネリアの部屋は幹部塔らしい」

「う…嘘だろ!?」

「本当だよ」

戸惑いながら答えると他の同期も驚いて目を見開いていた。

その様子にコルネリアは苦笑いした。
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