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貴方を守る

第7章 帰還


「もし何かあったら直ぐに呼んで下さい。
今から団長の執務室に行きますが、用事が終われば私室に居ます」

そう言ってアルバン以外の2人と一緒に医務室を出た。

業務時間はとっくに過ぎていた。

「今日も有難うございました。
そして、医療班に入って頂けた事に感謝します」

「俺達こそ礼を言わなければならない。
今まで壁外や帰ってきた後、医療班がこんなに大変だとは思わなかった。
正直、医学に関しては素人だが、俺達なりに勉強しておく」

「助かります。
では私は急がなければいけないのでここで失礼しますね。
また明日から宜しくお願いします」

ニッコリと微笑むと2人も微笑み、別れてコルネリアはエルヴィンの執務室へと向かった。

ドアをノックして執務室へ入ると部屋の隅で椅子に座り落ち込んでいる様子のハンジが居た。

「わざわざ来て貰って済まない。
負傷者のほうはどうなったんだい?」

相変わらず爽やかな顔をして聞いてくるエルヴィンを見て、コルネリアは答えた。

「負傷者の多くはもう部屋へ返しました。
今、医務室に居るのは足を骨折している2人の兵士と、アルバンさんだけです」

「そうか。
さっき3人が医療班への配属を希望してきたのには驚いたが、これで安心して壁外へ出れるだろう」

「そうですね。
でも、まだ医学に関しては素人同然ですので、さすがに勉強してもらいます」

苦笑いしながら言うとエルヴィンは少し笑った。

「全員集まったからさっさと始めろ」

ソファーに座っているリヴァイは不機嫌そうに言うと気にする素振りを見せずにエルヴィンは話し始めた。

「今回の壁外についてだが…
コルネリア、君自身はハンジをどう思っているんだい?」

突然ハンジの事を聞かれ、少し驚きながら冷静な声で答える。

「ハンジさんは良かれと思った事をしましたが、結局それが裏目に出てしまったのは間違いありません。
ですが、私がテントを離れていた事も問題であると考えています」

そう答えるとエルヴィンは頷いた。

「君の言う通りだ。
それで聞きたい事がある。
何故、医療班の班長である君が夜中にテントを離れていたんだ?」

「それは…」

少し気まずくなりながらも正直に答えた。

「兵長の姿が見えなかったので探していました」

「だが君はリヴァイを見つけても一晩中テントを離れていた事に変わりは無い」
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