第7章 帰還
兵舎に着き一旦リヴァイと別れた後、コルネリアは医務室へと向かった。
「コルネリア、丁度良かった。
こいつなんだがもう大丈夫じゃないか?」
今日から医療班に加わった兵士の1人、1番体格が大きいアレンが話しかけてきたのでベッドの上で座っている兵士の所へと向かった。
「気分のほうはどうですか?
傷口が痛むとか…」
この兵士は巨人に食べられそうになった所を助けられたと聞いている。
腹部付近を巨人によって損傷していたが、見た限りでは内臓に問題無い。
「今の所は問題ないが、いつまでもここに居る訳にはいけない」
そう答えられてコルネリアは腹部を覆っている包帯を解き、傷の具合を診たが特に問題は無さそうだった。
「ずっと横になっていたのでフラつくかも知れませんが、歩けるのであれば戻って構いませんよ」
微笑みながら言うと兵士はベッドから下りて立ち上がった。
すると一瞬よろめいたが何とか立てている。
「少し歩いて貰っても構いませんか?」
そう言われて兵士は1歩ずつゆっくり歩くと倒れ込む事なく歩ける状態にまで回復していた。
「これだったら大丈夫ですね。
暫くは傷の手当をしなければならないので、また明日こちらに来てください」
「分かった。
迷惑をかけて済まなかった…有難う」
兵士は苦笑いしながら礼を言うと医務室をゆっくりと出て行った。
「他の負傷者はどうですか?」
「今の所は問題無さそうだ」
そう答えたのは1番小柄の兵士のアルバンだ。
医務室に居る負傷者は後2人だけだった。
「後の2人に関しては足の骨折なので夜間の当直は私がしますね」
「コルネリア、壁外から帰って来てから殆ど寝ていないだろ。
今日は俺が居るから少しはゆっくり休んだらどうだ」
アランとアルバンに付け加えてもう1人の兵士、ごく普通の体格のフリッツが心配そうな顔で覗き込んできた。
「お気持ちは嬉しいですが、私は大丈夫ですよ」
「いや休んだ方が良い。
疲れてる様だし、倒れてしまわれたら俺らが困る」
アランが腕を組んでコルネリアを見てきた。
壁外に行く前までは新兵であり、医療班の班長であるコルネリアの事を嫌っていた3人が今では心配してくれるのが嬉しく感じた。
「ではお言葉に甘えさせて貰いますね。
今日はアルバンさん、お願い出来ますか?」
「分かった」