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貴方を守る

第7章 帰還


コルネリアの問いかけに少し戸惑いながらもリヴァイは答えた。

「俺も分からない。
巨人がどこから現れるのか…どんなに倒してもどんどん湧いてきやがる…」

「兵長は長年調査兵団に所属していますが、初めて壁外へ出た時と今とでは違いはありますか?」

涙ながらもコルネリアはリヴァイの顔を見つめ聞いた。

「正直な話だが…奇行種が増えている事には間違いない」

「奇行種ですか…」

「初めて壁外に出た時も奇行種に出くわしたが…
今のほうが奇行種の出現率が高い」

そう断言するリヴァイを見てため息が漏れる。

それを見逃さなかったのか、頭をポンポンと優しく叩かれた。

「お前は心配しなくていい。
業務に集中していれば俺がお前を守る」

そう言ってリヴァイは少し考える素振りを見せた。

「まだ時間はあるか?」

「一応ありますが…医務室に戻らなければ」

苦笑いしながら答えると今度はリヴァイがため息を漏らした。

「そうだな。
あいつら3人も医療班には加わったが、まだまだ勉強不足だろ」

「そうですね。
もし何かあれば今頃焦っていると思います」

するとリヴァイはまたコルネリアの手を握り兵舎へと向かった。

「兵長はまた旧本部へ戻られるのですか?」

「いや、暫くは居る予定だ」

「本当ですか!?」

思わず叫びながらジャンプするとリヴァイは驚いた様子で見てきた。

「す…すみません。
嬉しいとどうしても叫んでしまうみたいですね」

「叫ぶのはいつもの事だが…」

「またそれですか!?」

コルネリアが少し拗ねると思わずリヴァイは微笑んだ。

「お前は面白いな」

「そうですか?」

「行動の1つ1つが大袈裟だ」

「…兵長、それ褒め言葉どころか悪口ですよ?」

柔らかく反論の言葉を言うと今度は少し笑顔を見せてまた兵舎へと続く道を歩き始めた。

「そろそろハンジも反省しただろう。
医務室に行った後エルヴィンの執務室に来い」

「団長の執務室ですか?」

「容赦なく怒られている筈だからな」

今の精神状態ではハンジに会うとどうなるか自分自身でも分からないが、早かれ遅かれ会わなければならない。

少し憂鬱にながらもリヴァイと手を繋いだ状態の為、とりあえず兵舎に戻るしか無い。

壁外調査後の仕事はコルネリアも多いが、早く問題を解決したい為執務室に行く覚悟を決めた。
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