第7章 帰還
するとリヴァイは座ったまま目を瞑った。
よく見ると隈がいつもより濃くなっているのが分かった。
「あまり寝れていないのですね」
「あぁ…いつもの事だから気にしなくて良い」
そう答えるリヴァイを見て思わず微笑んだ。
「兵長、あまり無理はしないで下さいね」
「無理はしていないつもりだ」
「いつも以上に隈を濃くしている人が言う言葉では無いと思いますよ?」
リヴァイの横に行き予備で置いてあった椅子に座りながら言うとチラッとこちらを見てきた。
「そう言うお前も疲れている顔をしているな」
「仕方がありません。
怪我人が居る間は夜もずっとここで過ごしていますから」
「だから部屋にいねぇのか」
そう言いながらリヴァイは少しウトウトしている様に見えた。
リヴァイの寝顔は元々顔立ちが良いせいか、とても綺麗でつい見入ってしまう。
そして、コルネリアの心の癒しにもなっていた。
仕事が山程ある筈なのにこうして医務室に来てくれる目の前の恋人を見ると、自然と嬉しい気持ちになる。
そうして暫く眺めていると先程エルヴィンの所へ行った兵士達が戻ってきた。
「コルネリア、団長の許可を貰った。
今日から正式に医療班に配属になる」
「本当ですか!?
凄く嬉しいです」
ニッコリと笑顔を見せると兵士達も笑顔を見せた。
「なら、今からコルネリアを連れて行くぞ」
「兵長!
いらっしゃったんですか!?」
「…お前らが帰って来る前からここに居た」
「き…気付かずに申し訳ありません…」
気まずそうに兵士達が言うとリヴァイは立ち上がりコルネリアの腕を掴む。
そして医務室から連れ出されながらコルネリアは兵士達に告げた。
「とりあえず今は落ち着いているので、もし痛がったら原因を見て必要であれば薬をお願いします!」
バタバタと部屋を出ながら言うと既に離れていく医務室から「了解」の返事があったので安堵してリヴァイについて行った。
兵舎を出ると太陽の光が眩しい。
「兵長、もう引っ張らなくて大丈夫ですよ」
そう言うとリヴァイは腕を離し、手をつないできた。
「お前に触れていないと気がおかしくなりそうだ」
「へっ?」
突然言われた言葉の意味を理解するのに苦労していると突然抱き締められた。
「お前が傍に居ないと落ち着かねぇ…」
「突然どうしたのですか?」