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貴方を守る

第5章 壁外前


「兵長、1つお聞きしても良いですか?」

風呂から出て私服に着替えたコルネリアはリヴァイが私室から持ってきた湯で紅茶を淹れながら聞いた。

「何だ」

「兵長は女の人の裸を見た事あるのですか?」

「無いと言っただろ」

表情を変えずにソファーに座って淹れたての紅茶を1口飲み、彼は短く答える。

「では私の…その裸を見たのが初めてですか?」

「そうだが、何故そんな事を聞く」

眉間に皺が再び寄り始めたのを見て慌てて付け加えた。

「私の裸を見ても何も感じていない様だったので、もしかしたら…と…」

そう言うとリヴァイはため息をついた。

「女の裸を見て男が何も感じないとでも思っているのか?」

やはり恋愛経験が無い自分にはあまりよく分からない。

するとテーブルの前に立っていたコルネリアの横に来ると頬を撫でられた。

「いくら15歳のガキでも体は発達しているだろ。
それに好きな女の裸を見たら誰でも欲情する。
だがまだお前にはまだ早い」

その言葉でリヴァイの言っている事がやっと分かった。

感情こそ表情には出さない物の、彼は彼なりに自分を気遣ってくれていた。

普段見せる表情は睨んでいる様に見えるが、実は部下想い。

さりげなくではあるが優しい面があった。

「兵長、有難うございます」

ニッコリと笑うとリヴァイは抱き締めてきた。

「兵長…?」

自分も背中に手を回すと耳元で呟いてきた。

「お前の笑顔は俺を癒してくれる。
そんなお前が俺は好きだ」

そして体が離れるとリヴァイは頬にキスをしてきた。

「だがお前は新兵だ。
これ以上の事をする事はあまり良く無い。
だから我慢する」

コルネリアにとって彼の優しさは大好きだ。

2人きりになる時は優しいが、業務中はいくら恋人と言えど上官と部下の立場。

リヴァイが兵舎に帰って来てこうして2人きりになれる時間が今まで殆ど無かった為尚更その優しさが嬉しく感じる。

「そういえば」

ふと思い出した様にリヴァイは考える素振りを見せる。

どうしたのかと思っていると突然部屋から出て行った。

1人残されて突っ立ったままでいると、程なくして帰ってきた。

「これをやる」

差し出されたのは本だった。

「この本には薬になる薬草の説明が書いてある。
役に立つかは分からないが…」

彼を見ると顔が少し赤くなっていた。
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