第4章 会いたい人
「いい加減、俺に慣れろ」
思いも寄らない言葉を言われたので驚いて目を見開くと、リヴァイはベッドから立ち上がり近付いてきた。
殴られるのかと思いおもいっきり目を瞑ると抱き締められた。
「俺は今まで色んな女を見てきたが、お前は異常だ」
「ちょっと、それどういう事ですか!?」
リヴァイから離れようとして胸を押すがびくともしない。
そして小柄な体型とは裏腹の力強さを感じる。
「異常って言葉知らねぇのか?」
「それぐらい分かりますよ!
でも、人を異常呼ばわりするのはどうかと思います」
少しムスッとしながら答えると抱き締められていた体が解放された。
「俺がお前を異常と感じるのは、今までお前みたいな奴を見た事無いからだ」
リヴァイから体は解放されたが、肩はガシッと掴まれている。
「それは…どういう意味ですか?」
「お前…まさか…」
「?」
目の前にいる彼は頭を抱えて上を向く。
「今まで誰かに惚れた事ねぇのか」
そう言われ顔が熱くなる。
きっと顔は赤くなっているだろう。
恥ずかしさのあまり俯くと顎を指で掴まれて上を向かされ、そして軽くキスをされた。
「気にする事じゃない。
俺も同じだ」
「あの話は本当だったんですか!?」
「…あの奇行種が言いやがったか。
後、お前は叫ぶのが趣味なのか?」
思わず顔を横に振る。
「俺は女に興味はない。
触れられるだけで寒気がする。
だが、お前だけは特別だ」
「特別…ですか?」
「本来ならここに戻るのはもっと遅くなる予定だったが、計画を変更した」
リヴァイが言う言葉にまた分からないでいると、彼がわずかに口角を上げたのが見えた。
「お前に少しでも早く会いたかったからな」
そんな言葉を言われたら嬉しく思わない訳がない。
相手は調査兵団の兵士長であり、そして自分の恋人だ。
彼を追って調査兵団に入ったが、まさか入団早々付き合う事になるとは思う訳がなく、そして別々の兵舎で過ごしていたので付き合っているという実感は無い。
告白してきてくれたのは嬉しかったが、ムードの欠片が全く無かったのは正直悲しかったが…
「兵長…1つ聞いても良いですか?」
「何だ」
「告白して下さった時、何故命令の様な形にしたのですか?」
それを聞いたリヴァイは少し考えると答えた。
「告白の仕方が分からねぇ」
・・・。