第1章 憧れの人
翌日希望した調査兵団の兵舎へと向かった。
その道中、ミカサからリヴァイの事について聞いた。
「あの人、審議の時に動けない様にしたエレンを蹴りまくった」
その言葉を聞いてコルネリアは驚いた。
「そのおかげで調査兵団に所属出来る事になったけど、エレンはあいつの監視下に置かれる」
「じゃあもしかしたら会えないかもしれないって事?」
「かもしれない」
ミカサはリヴァイの話をする時は怒った様な顔をする。
きっとそれだけ凄い事をされたんだろう…
兵舎に着くと広場に集合がかかり、整列する。
するとエルヴィンが現れたので全員敬礼をした。
「今回は調査兵団への入団を希望してくれた事に感謝する」
エルヴィンはにこやかに微笑みながら新兵を見て話した。
「この前の勧誘の時にも話したが壁外調査を主とするここでは死亡率が高い。
それを覚悟した上での入団を嬉しく思う。
所属する班については後から通知しよう」
そう話すエルヴィンの後ろには兵士長であるリヴァイが立っていた。
この前見た時は夜であった為あまり顔を見れなかったが、明るい昼間に見るリヴァイの顔は眉間に皺を寄せており、正直怖い。
するとリヴァイがエルヴィンの横に立った。
「知っている人も居ると思うが、兵士長のリヴァイだ」
それだけ言うとリヴァイが口を開いた。
「てめぇらがここを選んだ理由はそれぞれあるだろ。
だが、新兵だろうが何だろうがここに居る以上、壁内でも他の兵士同様の扱いをする。
俺から言わせたらお前らはただのガキだ。
訓練でも容赦しねぇから覚悟しとけ」
それだけ言うとリヴァイは兵舎へと戻って行った。
「すまないね。
リヴァイは少々口調が悪いが私から見たら部下を大切にする良い奴だ。
だから悪く思わないでくれ」
苦笑いして話すエルヴィンを見て彼自身も困っているのが分かった。
すると次は見た事の無い兵士が現れた。
「皆ごめんね。
リヴァイの事怖いって思ったかもしれないけど、あれでも良い奴だから許してあげてね。
エルヴィン、所属班ならもう決めたよ」
「そうか。
なら今発表しようか」
すると兵士は明るい表情で新兵達の前に立った。
「私はハンジ・ゾエ。
第二分隊長をしている。
私はさっきのリヴァイみたいに怖くないから安心してね」
そう言うとハンジは新兵の所属班の発表を開始した。
