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キセキに恋した。

第2章 02.紫と甘い香り


紫原side


小春ちんの差し出した袋はとても可愛くラッピングされていて、けど、それ以上にあま〜い匂いがする。

室ちんに…か。

室ちんの事だから、快く受け取ってくれるんだろうな。

でも、なんか嫌だ。
俺だけが知ってたのに。

いまだって、むろちんに黙ってきてるし…


「俺が食べちゃダメ?」

「え?」

「なんでもな〜い。室ちんに渡しとく。
じゃ、今日は帰るね〜」


自分でもなんでこんなもやっとするのか
わからない。
けど、ここにいるのが耐えられなくなって、
足早に調理室を後にした。


「はぁ…」

「敦どうしたの?」

「あー室ちんー」


昇降口で靴を履き替えていると、室ちんが現れた。
相変わらず、爽やかな笑みを浮かべて
……なんかムカつく〜


「どうしたんだ?」


そうだ。小春ちんからもらったクッキー渡さないと。

これあげる〜


と、いつものように言ったつもりだったが
声が出ない。
クッキーを持つ手も動かない。


「敦?」

「なんでもな〜い」


俺どうしちゃったんだろ。
むしゃくしゃする。
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