第9章 甘い誘惑 ~初めての○○~
心地よい手のぬくもりで目が覚める奈帆。
ゆっくりと目を開けると一弥が
「おはよう。もぅ起きちゃったか。。。」
朝日に照らされた一弥の顔が更に優しく見える。
そして一弥はゆっくりと奈帆を抱き寄せ
「今日からまた練習キツくなる。。。でも。。。何でも話せよ。。。」
不安そうな声が耳元で響く。
「うん。。。でも、私は大丈夫だから。。。」
奈帆は一弥の負担になるまいと強く言った。
そして2人はお互いをき気遣うようにきつく抱き合った。
日曜日の部活。
試合が近いせいかみんなピリピリしていた。
ウォーミングアップから一弥が戻ると、
「今日は。。。先に帰ってて。ちょっと用事あるから。。。」
なんとなく用事が分かってた奈帆は
「無理に。。。いや、先に帰ってる。。。あんまり無理しないで。」
部活中にまともに話したのはこれが最後だった。
部活が終わり、なんだか胸騒ぎがした奈帆は途中まで帰ったが引き返す。
一弥を探して部室の前まで来ると中から声が聞こえた。
「倉持、最近なんで奈帆につきまとってんの?」
冷静ではあるが強い声に奈帆は耳を傾ける。
「なに?一弥妬いてんの?お前でもそんな感情口に出したりするんだ?」
倉持が冷やかしながら返すと
「つか、アイツは俺の彼女だから当然だろ。アイツも嫌がってるからやめろ!」
更に強くなる一弥の声、奈帆は聞いちゃいけないと思いながらもその場から離れることが出来なかった。
「へぇ~、女の力ってそこまで人を変えるんだ~?つかもぅヤッタの?」
更に挑発する倉持に
「そーじゃねーだろ!アイツは。。。奈帆はそんな軽い女じゃねーし!だから尚更やめろ!」
感情を露わにして倉持の胸ぐらを掴みかかる一弥。
「つか、まだなんだ~?ボールさばきは上手くても、女扱いは下手なんだ~。そんなことしてると誰かに取られるぞ~!まぁ、俺が取ってもいいけど。」
倉持が不適な笑みで一弥を見る。
「倉持。。。!てめぇ!」
一弥が更に手に力を入れると
「まぁ、せいぜい取られないように首輪でも付けておくんだな。離せよ。」
そう言って倉持が部室からでると部室から 出てきた。
慌てて奈帆は避けるが倉持に見つかってしまった奈帆。
何かを企んだ笑みで奈帆てをとりかけだして行った。