
第9章 甘い誘惑 ~初めての○○~

緊張のお泊まり明けの教室でめぐと秀明がニヤニヤとしながら待ち構えていた。
「おはよ。。。」
奈帆はイヤな予感をしながら近付くと
「どーでしたー?お・と・ま・り☆」
めぐが茶化すように聞く。
「普通に。。。泊まっただけだし。。。」
ちょっと照れながら答える奈帆を見て横から
「ふ~ん。。。何もねーワケないだろ~。。。」
雅也の痛恨の一撃が飛ぶ。
「何もないです。」
しれっとして奈帆は席に着いた。
怪しまれながら1日が終わり部活へ。
一弥を見つけた奈帆は
「お疲れさまです。。。今日は。。。」
モジモジとしながら話しかけるも、
「わりぃ、今日はコーチがいねーから俺が練習見るんだゎ。。。」
まだ話しも終わらないうちに
「一弥先輩!!」
後輩の部員に呼ばれて行ってしまった。
(今日は何しよう。。。)
部室へ戻り掃除を始めると一弥と同じ中学出身の倉持が入ってきた。
「お疲れさまです。倉持先輩。」
奈帆が先に声をかけると、
「あれ?あっ!アイツは今日コーチ兼任だもんな!」
そう言いながらロッカーへ進む。
奈帆がいるのも気にせずに着替え始める。
「あの。。。私。。。外に出てますね。」
そう言って部室から出ようとすると、
「別に構わないよ。つか、一弥のどこがいいの?」
ストレートな質問に足が止まる。
「えっと。。。」
考えていると、背後から近付く倉持。
背中に気配を感じる奈帆をみて倉持は耳元で
「付き合ってるんでしょ?答えらんない程度なんだ~。」
イタズラをするように囁く。
「そんなことはないです。失礼します!」
慌てて飛び出る奈帆。
出て行ったドアを見ながら倉持は
「なるほどね~、照れちゃってカワイ~ね~。。。」
不適な笑みを浮かべた。
部活が終わるも一弥は手が離せそうにないので奈帆は1人で帰り道を歩いていると、
「あれ?1人なんだー?もう暗いし駅まで一緒に行くよ。一弥の専属マネージャーさん。」
さっきの事が引っかかり何も言えずに歩き続ける奈帆。
「冷たいな~、てか、さっきは悪かったよ。。。あんな事聞いて。一弥とは中学から一緒だったけど野球以外に興味示したのって奈帆ちゃんが初めてだからさ、気になっちゃってさ。。。」
さっきとは全く違う柔らかい声にびっくりする奈帆。
「そうなんですか。。。」
奈帆が答えるとそっと手を握る倉持。
「俺にもドキドキする?」
突然の事に慌てて手を振り払った。
