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私はSですが?何か?①

第2章 ~夏が待てない~気持ちも気温も上昇中


笑われた事よりも、セーブ出来なかった自分にイライラしながら、湖畔と反対に歩いてきた。
すると2年生のグループが居るのが目に入る。
その中でも真っ先に目に入ったのは一弥先輩。
どぅやら野球部の一部が来ているみたいだ。
(人の居ない所に行こう。)
奈帆は更に奥に進んだ。
するとそこには一面のスズラン。
香りと景色にイライラが静まりだした。

しばらくしゃがんだままスズランを見ていると後ろから
゙ガサガサ。。。゛

ビクッとして振り返ると
「あれ?入学式の?」
と言いながら
一弥先輩がビックリしてこちらを見ていた。

「どぅしてここに?」
真っ直ぐな眼差し、柔らかい表情。
奈帆の視線は離れなかった。

何も言えずにいると
「幸せの訪れ。。。スズランの花言葉。。。」
見た目とは想像付かない言葉に奈帆は一弥先輩を見る。
「去年かなー?たまたまここを見つけて来てからなんだよ。試合に勝てるよぅになったのって。。。でも、甲子園はいけなかったけどな~。。。だから今年もここに来れたら。。。甲子園に行けるよぅな気がして。。。」
ぽつりぽつりと出てくる言葉に無邪気な姿は無かった。
「なぜ1人なんですか?他の部員も一緒なら。。。」
奈帆は不思議そぅに聞いた。
「俺ってさ~、あんまり友達付き合い上手くないだ。。。ずっと野球バカだから。。。」
スズランを見つめながら細い声だった。
「すみません。余計なこと聞きました。」
奈帆はバツが悪そうに黙った。
「入学式の時、玄関で見つけた時!覚えてる?な~んか同じ匂いがしたんだよなぁー。。。おまえから。。。」
奈帆を見つめる瞳に曇りはなかった。
見つめ合った2人。。。
そこにはそよ風の音とスズランの香りしかしなかった。

「おいっ!!ったく手間かけさせやがって!グループ行動だって言ってたのおまえだろーが!」
戻る時間になりみんなで奈帆を探していた。
雅也の強い口調に驚く奈帆。
雅也は一弥先輩も視界に入っているが強く奈帆の手をつかみ連れて行こうとした。
その瞬間。。。
一弥先輩はもぅ片方の手を掴んで
「野球見に来てくれ。叶うかもしんねーから。」
そぅ言った途端雅也の手に力がこもり奈帆を連れ出した。。。
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