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私はSですが?何か?①

第9章 甘い誘惑 ~初めての○○~


部屋に入ると一弥が散らかった本を片付ける。
「悪ぃ。。。散らかってるからベッドに座ってて。」
部屋中に散乱する野球雑誌と用品の数々を見ながらゆっくりと腰を下ろす。
「つか、俺の部屋に来ても。。。何もねーか。」
そう言いながら奈帆の横に座ると一冊のアルバムを開いた。
「卒業アルバム?」
奈帆が覗き込むとまだ幼い顔の一弥が目に入った。
「中学生の時の。。。この頃から野球だけだったからあんま見ないけどさ、これくらいしか見せるもんなくて。。。」
一弥が肩を落とすと
「野球の事あんまり分からないから、雑誌も見たいし、このアルバムも見たいな。。。」
そう言って一弥からアルバムを取りめくっていく。
あれこれと中学生活を聞き入ってしまいあっという間に時間が過ぎる。
ふと時計が目に入る奈帆。
「もぅこんな時間だ!もう帰らないと。。。」
そう言って立ち上がりカバンを取ろうとすると後ろから一弥に捕まる。
「もぅ。。。遅いし。。。泊まっていけよ。。。」
耳元で低い声が囁かれる。
「でも。。。」
奈帆が一弥の腕に自分の手を重ねる。
「明日の朝、俺が送って行くから。。。帰るなよ。。。一緒にいるの嫌か?」
悪魔の囁きのように奈帆を制圧する声。
「一緒に居たいけど。。。でも。。。」
誘惑に負けてしまいそうな奈帆に一弥は強く抱きしめ、
「じゃあ、帰るな。。。決まりな。。。」
そう言うと奈帆を振り向かせて頭を撫でる。
「家に連絡しとけ。心配させないように。。。」
携帯をカバンから取り出し連絡を入れる奈帆。
「遅くなったから、今日は泊まって明日帰る。」
電話を切ると一弥が真新しいTシャツとハーフパンツを奈帆に差し出し、
「制服シワになるから。。。つか、シャワー入ってサッパリしてこい!」
一緒に居られることが嬉しいのか満面の笑みの一弥がなんだか可愛く見える。
シャワーを済ませて一弥の部屋に戻る。
「ありがとう。一弥も入って来て。。。下さい。。。」
ブカブカの服に恥ずかしくなりながら奈帆が話すと、一弥はじっとこっちを見ていた。
いてもたってもいられなくなった奈帆は
「なにか?おかしいかな?」
ハッとなる一弥は奈帆をふわっと包み込み
「やべぇ。。。可愛すぎるから。。。」
そういいながら濡れた髪に顔を埋める一弥。
(私の鼓動。。。いや、一弥のも。。。)
2人の鼓動は体中を響き渡った。
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