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私はSですが?何か?①

第8章 夏の大会 ~すれちがいの日々~


試合前日、奈帆はめぐを呼び出した。
サッカー部の部室の前で待っていると後ろから
「なんだよ。。。野球部ねーのか?」
雅也の声がした。
「いや、あるけど。。。先にめぐに用事。。。」
奈帆がきっぱり答えると
「つまんねーなー!俺に会いに来たの~!とか言えねーの?」
半笑いの雅也に頭をグシャグシャにされる。
その時部室からめぐが出てきた。
「雅也くん!奈帆にちょっかい出さない!!」
めぐが奈帆の前に立ちはだかると
「好きなもんはしょーがねーじゃん。」
不適な笑みで奈帆を見る。
「またそんな事言って!!ダメです!さっさと練習に戻って!」
めぐの声が響くと
「お~怖。。。秀明はこれのどこがい~んだか。。。」
そう言って笑いながら練習に戻っていった。
「ゴメンね~、待たせちゃったからだね。。。」
めぐが奈帆に謝ると
「大丈夫。雅也くんにはもぅ慣れたし。。。でね。。。相談なんだけど。。。」
裏へ歩きながら話し始める奈帆。
「明日、野球部は夏の予選なんだけど。。。全部勝ったら一弥先輩が家に来いって。。。親も居ないからご飯食べようって言われたんだけど、どう思う?」
奈帆が少し赤くなりながら話すと
「奈帆はどうしたいの?一弥先輩と一緒に居たいの?でも、まだ付き合って間もないから変な事しないと思うよ。。。奈帆の事が大切なら余計に。。。」
めぐは深く考えながら話す。
「あの。。。めぐは秀明くんと。。。どうなの?」
モジモジしながら聞いてくる奈帆に、
「まだだよ。。。途中まで?みたいな。。。けど、いつでもいいかなぁ~って思うの。。。」
奈帆はびっくりしながらめぐを見る。
「そっか。。。」
奈帆は下を向きながら考え込む。
「めぐ~!どこだ~?」
秀明の声が聞こえてきた。
「そろそろ戻るね!なんか相談の答えになってないけど、奈帆次第だよ!」
めぐが奈帆に抱きつくと
「ありがとう。早く行ってあげな!」
そう言ってめぐを送った。
野球部に戻ると明日のスタメンの発表が始まっていた。
“キャッチャー。。。一弥!!”
その声にビクッと反応してしまう奈帆。
一弥と目が合うと満面の笑みで見ていた。
つられて笑顔になる奈帆。
帰り道、一弥が
「明日の約束覚えてる?」
その声に小さく頷くと、鼓動が高鳴る。
奈帆は色んな意味で緊張し始めていた。

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