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私はSですが?何か?①

第8章 夏の大会 ~すれちがいの日々~


朝、携帯の音で目が覚める奈帆。寝ぼけながら画面を覗くと。。。
『朝、家まで迎えに行くから!!』
一弥からの連絡に飛び起きる。
(えっ!なんでさ!昨日言ってくれればよかったのに!!てか、付き合い出したんだっけ。。。)
朝に弱い奈帆は慌てて用意する。
リビングに降りるとチャィムが鳴った。
“ピンポーン!!”
奈帆のお母さんは知らずに出ると
「奈帆さんと同じ部活の一弥です。迎えに来ました。」
ハキハキとした声が聞こえる。ドタバタと玄関へ向かい一弥の手を取り
「いってきまーす!!」
と、慌てて外に出た。
一息着いた奈帆に
「マズかったかー?つか、付き合うからには挨拶くらはしておかねーといけねぇかな。。。って。。。」
少し照れながら話す一弥。
(やっぱり。。。付き合うんだな私達。。。)
実感が湧かなかった奈帆にやっと現実が見えてきた。
しっかりと握られた手からは優しさが伝わってくる。
「土曜日。。。いよいよ夏の予選だ。。。今日からハードなスケジュールになるけど大丈夫か?」
真剣な目の一弥に吸い込まれそうになりながら、
「私も厳しくいきますよ、一弥先輩。」
そう言うと一弥が唇を人差し指で押さえる。
「先輩っての止めね-?なんつーか。。。そのまま呼んで欲しいっつーか。。。」
少し顔を見えないようにしながら話す。
「え、えーと。。。か、か、一弥。。。とか?」
奈帆が下を向きながら言うと
「ちゃんと顔見ながら言って欲しーなー!」
一弥は奈帆をのぞき込む。
「一弥。。。」
そう言うと軽く頬にキスを落とす一弥。
真っ赤になりながら奈帆は、
「こんな所で!!ダメです!!次は許しませんよ!」
奈帆が少し怒りながら早歩きになると後ろからすぐに捕まえられて
「昨日も帰ってから我慢したし。。。これから学校行っても別々だし。。。充電!!」
そう言って無邪気に笑う一弥。
その笑顔を見ると何も言えなくなる奈帆。
仲直りするかのようにまた手をつなぎ合わせ学校へ向かった。
教室まで一緒に来てくれた一弥が、
「昼休み、部室に来い!」
そう言って手をヒラヒラさせて走って行ってしまった。
教室に入るとニヤニヤしためぐと秀明、それに雅也が奈帆をとらえてる。
「そ~ゆ~ことなんだね~☆」
めぐが切り出すと奈帆は静かに頷く。なんだかんだ言われながら席に着くと低い声で
「よかったな。。。」
雅也の手が奈帆の頭をかすめた。
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