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私はSですが?何か?①

第8章 夏の大会 ~すれちがいの日々~


合宿から帰り普段の学校生活が始まった。
夏休み前から夏の大会が始まる。
ピリピリとした空気が漂っている。
放課後の校舎に響き渡る声を聞きながら奈帆とめぐは部活へ向かった。
「奈帆は野球部~?」
まだどちらにするか決めかねていた奈帆にめぐは聞いた。
「いや、今日はサッカー部に行こうかな。。。実はさ。。。」
合宿の最後に一弥と気まずい状況になり、顔を合わせる事に臆病になっていた。
一部始終を聞いためぐは
「そっか。。。そりゃヤキモチだね!けど、表現の仕方に寄ってはさ。。。気まずいの分かる!けど、奈帆の場合は気まずいからで済まないよね。。。」
めぐが考えながら話す。
「けど、ちょっと距離を置いてみようかなって。。。一弥先輩と。。。」
奈帆なりに考えた結論だった。
「じゃあ、思ってる事を一弥先輩に言わなきゃ!メールとかラインとかでもいいから!」
めぐが奈帆のスマホを指差す。
「そぅだよね。。。今送っとく。。。」
そう言って奈帆はスマホを開く。

『少しの間サッカー部へ行きます。少しお互い考えるために距離を置きましょう。』

よそよそしい文章ではあるが、奈帆には精一杯だった。
サッカー部へ急ぐとロッカールームに雅也がいた。
「あれ?オマエ。。。野球部じゃ。。。?」
びっくりして目を見開く雅也に奈帆は
「少しの間。。。面倒見に来たんだから!感謝しなさい!!」
上手く表現できずしどろもどろになりながら話す。
「ぷはっ!何だよー!その上から目線!いきなり来てそれかよ!マジ笑える!!ハライテぇ~!」
雅也は奈帆の気持ちに気付いたのか、わざと笑い転げた。
「じゃー帰る!!」
奈帆は怒りながら出て行こうとすると雅也が奈帆の腕を掴んだ。
「つか、あれ以来話してねーんだろ?だからここに来たんだろ?。。。帰んなよ。。。」
雅也の真剣な声が奈帆の背中に響く。
「だーかーらー。。。もっと頼れよ!最初の頃みたいに可愛くねー奴になるぞ!!」
そう言いながら奈帆の頭を撫でながら正面に立つ雅也。
少しかがんで奈帆と目線を合わせると
「納得いくまで考えろよ!つか、マネージャーの仕事はしっかりやってもらうけどな!!」
雅也が笑顔で奈帆を見る。
「はい。。。」
奈帆は言葉が見つからなかった。しかし心ではたくさん雅也に
(  ありがとう  )
何度も何度も繰り返していた。
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