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私はSですが?何か?①

第6章 ~熱い合宿~ 恋の始まり


午後からも雨は更に酷くなり、雷まで鳴りだした。 
「怖い?大丈夫、俺が側にいるんだから~!」
明るく振る舞う一弥。
次の瞬間。。。

“ビリビリー!!!”  

雷が近くに落ちる。
それに伴い停電。薄暗い食堂、生徒は殆ど居なかった。
(わっ!!!)
奈帆は恐怖と驚きで一弥にしがみついた。
しかし、何か味わった事のない感触。
目をゆっくりと開くと目の前に一弥の顔。。。
(えっ!キ、キ、キ、キスーしちゃったー!!!)
それも奈帆から。 
慌てて唇を離し立ち上がる。
「ご、ごめんなさい。。。」
上から見下ろす形で奈帆は謝る。
「い、いや、今のっ。。。は。。。じ、事故だ!」
そぅ言った直後、照れながらも真面目な顔で
「つか、事故じゃねーの。。。したいんだけど?」
ゆっくりと奈帆の手を引き座らせて顔を近づけてきた。

「あっ。。。まだ。。。ダメ。。。です」

奈帆が言い終わらない前に

「待てねーよ。。。」

そう言って重なる唇。。。
一弥が触れている場所が全て熱をおびたようにジンジンとしてくる。

ゆっくりと離れて普通に戻る一弥。
「じゃあ、電気つくまで。。。あっ。。。」
話しながら一弥の視線の先には
捨て猫のような寂しい顔の雅也がいた。
「あっ。。。」
奈帆は雅也の顔から目を逸らした。
「やっぱりー!一弥先輩言ってくれたら良かったのに!」
わざと明るく振る舞う雅也に心が張り裂けそうになる奈帆。
「ま、雅也。。。あの。。。」
一弥が話そうとすると遮るように
「なんとなく分かってましたから、今日も奈帆に言ったんっすよー!で。。。も。。。もし奈帆が泣くような事があれば、全力で奪いますから。」
途中から顔色が変わる雅也。
一弥を真っ直ぐ見ながら話した。
「あ、ああ。ぜってー泣かせねーよ!!」
一弥も負けじと話す。
(なんだろぅ。。。胸が苦しい。。。てか、私は一弥先輩を好き?付き合うの?)
何故か奈帆は苦しい心の中で自問自答を繰り返す。
雅也は奈帆の頭に手を乗せ
「  がんばれよ。。。   」
小さく言って去っていった。

奈帆が顔を上げると電気はつき外は小雨で明るくなっていた。
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