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私はSですが?何か?①

第6章 ~熱い合宿~ 恋の始まり


一弥先輩は奈帆の前に座り。
「一応。。。俺が先輩なわけだから、分からないとこ教えるぞ~!」
雰囲気を変えるように話を変えた。
「えっ!いいんですか?じゃあこの。。。数学の。。。」
奈帆もモヤモヤした気持ちを忘れるように一弥に質問する。 
「あー、これね。。。」
分かりやすい説明で奈帆はびっくりした。
「じゃあこれやってみて!」
一弥が問題をノートに書いて奈帆に差し出す。
「えーっと。。。」
奈帆は問題をやり始めたとき
「俺さ。。。あんまり友達居ないっつーか、だから野球も勉強もそこそこやってきた?いや、それしかやってこなかった?みたいなさ。。。こんな時に役にたつとはな。。。」
一弥先輩の空白の1年をなんとなく奈帆は理解した。
「野球も机でしてたんですか?」
不思議に思い聞くと
「スコアとか、相手の特徴とか。。。ずっと眺めてたかも」
少し苦笑する一弥。
「なるほど。。。一弥先輩は成績もいいし、野球もこなして凄いです。私には出来ないかも。。。」
ちょっと弱気な奈帆に、
「これからやればいーだろ~!俺もいるし。。。」
まるで彼氏彼女のような会話。
「はい。。。」
照れてしまったせいか、一言しか出なかった。
すると、難しい問題につまづいている奈帆を見て
「これは。。。」
向かいから隣に座り直す。
奈帆の視野に入ってきた一弥の横顔。
「一弥先輩。。。」
奈帆が耐えきれず口を開く。
「ん?どーした?」
ワケが分からない一弥。
「あの。。。顔が近い。。。です。。。」
しどろもどろに話す。
「あっ、いや!ゴメン。。。」
全く気にしてなかった一弥が慌てて離れる。

(なんだろぅ。。。やっぱりドキドキする。。。)
丁寧に分かりやすく勉強を教えるも、奈帆の頭には入ってこなかった。
その代わり、一弥の優しい声だけが奈帆の頭には響いていた。
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