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私はSですが?何か?①

第6章 ~熱い合宿~ 恋の始まり


静まり返ったマウンドを見つめ一弥は話し始める。
「俺の所に来てよかったのか?つか、朝はかなり嬉しかったけど。。。」
段々と小さくなる声に恥ずかしそうな感じがあった。 
「あの。。。はっきりとは分からないんですけど、一弥先輩の顔が思い浮かぶんです。。。だから。。。」
奈帆は昨夜考えたまんまを話す。
すると低い声で、
「いや、サッカー部で。。。その。。。嫌な事が。。。からかなーって。。。」
怖かったあの日の事を思い出させないよぅに言葉にする一弥先輩。 
「あの日の事もあります。けど、一弥先輩が来てくれるたじゃないですか。。。でも一番の理由は私が居ると雅也くんのプレーが死んでしまうことです。多分、自分と闘っていて。。。私も同じだからよく分かる。雅也くんの側に居ると2人とも前の自分に戻るから。。。」
素直に伝えかたが分からない自分、出来ないことにイライラする自分。
中学の奈帆はいつもそうだった。
「そっか。。。雅也の事ちゃんと考えてんだな。。。」
そう言って一弥は少し寂しそうな顔をする。
「それに、めぐにどっちを側で応援したい?どっちが。。。好き?って聞かれて。。。なんとなく一弥先輩が思い浮かんだとゆぅか。。。けど、気持ちがどーの、って言うのは分からないです。。。」
ぽつり、ぽつりと話す奈帆を見てバスタオルの中で手を握る一弥先輩。
「てか、そんなこと。。。言われたら。。。期待しちまうぞ。。。俺なんて単純だから。。。」
そう言って奈帆を見つめる。
「えっ!期待って。。。まだ。。。」
俯く奈帆の頬に唇を寄せる一弥。
「つかさ~、もう敬語とか止めねぇ?怒ったり褒めたりしてもらった方がやる気になるんだけどなー?」
一弥先輩の顔が頬から少し離れて話す。
「う、うん。。。わかりました。。。」
奈帆は視線を合わせないように返事をすると、
「ほらー!また!わかりました。じゃなくて、分かった。でいーから!つか、学習しろ!」
そう言って奈帆の鼻をつまむ。
「う~!痛いです~!分かっ。。。た。。。」
慌てて言うと、
「それでいい!だから言いたいことが有れば何でも言え!わかったな?」
そう言って一弥先輩は奈帆の頭をポンポンした。
奈帆は少し素直に言えた自分に満足していた。。。
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