
第6章 ~熱い合宿~ 恋の始まり

翌日からは野球部に合流した奈帆。
夏の選抜が近いためかピリピリしていた。
練習の合間に一弥が奈帆に話し掛ける。
「風邪はもう大丈夫か?無理すんなよ!そろそろ昼だし、飯行くかー!!」
一弥の元気な声は部員全員に届く。
1人で食事をしようとしていたところに
「1人で食べても美味しくねーじゃん。」
向かいに座る一弥。
とは言っても話をするわけでは無かった。
すると奈帆の方に何かが置かれる。
見るとプリンが置かれていた。
「ぷっ。。。」
奈帆が吹き出す。
「笑うことないだろ。。。俺のやるよ。。。」
ちょっと照れながら話す一弥。
「いいんですか?てか、一弥先輩が買ってきたんじゃ。。。?」
奈帆が聞き返すと
「病み上がりなんだから食べて力つけろ!」
奈帆はありがたくプリンを食べよぅとするが一弥がプリンを見ていた。
「一口どうぞ?」
奈帆は一弥にスプーンにすくったプリンを差し出すとパクリと食べ2人は顔を赤くした。
「も~食べちゃいます!」
急いでプリンを食べると一弥の手が顔に近づいてきた。
「ついてるし。。。」
口の横についたプリンを指で取りペロッとする。
「よし!午後からも頑張るぞ~!」
そう言ってそそくさと行ってしまった。
奈帆は呆気にとられ暫く座ったまま口元を触っていた。
午後の練習が終わり部屋へ戻るとめぐは帰っていた。
「お疲れぇ~!野球部はどぅだったぁ~?」
めぐは横になりながら聞いてみた。
「ハードだったよ。。。サッカー部は?」
奈帆も気になって聞き返すと、
「それがさ。。。マネージャー達もギクシャクしていたんだけど。。。雅也くん荒れてて。。。」
めぐから詳しく聞くと
「昨日のかな。。。?話してこよぅかな?」
奈帆が心配になり考え込む。
「今はそっとしておこうか。。。てか、お昼食べに行って見ちゃったけど、奈帆と一弥先輩なぁんかいい雰囲気じゃなかった~?そのせいか、雅也くん昼からかなりの低気圧で。。。」
見られていた事に少し恥ずかしくなる。
「いや、そんなんじゃないんだけど。。。」
言い返すもニヤリとしながらめぐは頷いた。
「一弥先輩と雅也くん。。。奈帆はどっちが好き?」
いつもと変わらないストレートな質問。
奈帆は
「雅也くんと居ると、私が雅也くんをダメにするような気がして。。。」
素直な気持ちを言うと
「まぁそぅなるよね。。。」
2人は意見が合い納得した。。。
