第4章 ~サイドストーリー~ めぐと秀明の物語
下に力が入る秀明。
(前に見ていたときよりハードになってる。。。)
少し不安な眼差しでベンチから見守るめぐ。
練習が終わりいつものように一緒に帰る。
「あのさ、なんか最近ハードになってない?ノート見ても思うし。。。」
練習中からモヤモヤしていた事を聞いた。
「俺さ、次の練習試合は必ずスタメンになりたいんだー。目標?みたいなものかな?」
いつもとは違う真剣な顔。
(サッカーの話になると真剣なんだ。。。無理してないといいんだけど。。。)
秀明の言葉が更にめぐを不安にさせていた。
すると秀明はめぐの手をそっと繋ぎ。
「もう少しだから。。。見てて。。。」
めぐの不安を消し去るような優しい手。
「うん。。。わかった。 がんばってね。。。」
手から伝わるお互いの思い。
言葉少なく歩いて帰った。
いよいよスタメン発表の日。
めぐは自分の事のように緊張する。
隣にいる奈帆も同じようにコーチを見ている。
部員か集まり最初に呼ばれたのは、
『 雅也っ! 』
大きな返事が聞こえる。
ドキドキしながら目を強く閉じるめぐ。
すると
「 秀明っ! 」
「 はい!! 」
勢いのある返事。
(よかった。。。おめでとう!)
何度も何度もめぐは思う。
帰り道で話すめぐ。
「本当におめでとう!試合楽しみにしてる!なんか自分が選ばれた気分だょ~!」
嬉しすぎて今までの不安は消えていた。
「ありがとう。。。練習試合だけど、勝ったらマネージャーさんからのご褒美とかあったりする~?」
真剣な眼差しからいつもの無邪気な顔にもどる。
「えー!何それー!てゆーか何がいいの~?」
めぐは笑いながら答えるとまた真剣な顔になる秀明
「じゃあさ、勝ったら試合の後どっか行こう。ご褒美はそれで。。。」
静かな話す秀明。
「うん。。。」
ちょっと緊張しながら頷くめぐ。
「やったー!絶対だぞー?キャンセル不可だから!」
そう言ってはしゃぐ秀明。
「めぐは男をやる気にさせる素質あるんじゃない?今まで何人をやる気にさせてきたんだか。。。」
ちょっといじけ気味に話す秀明。
「そ、そんなことしてないもん!」
怒るめぐを見て吹き出す秀明。
子犬がじゃれあうように笑顔が絶えなかった。。。