第3章 ~夏がはじまる!~彼が急接近☆★☆
早朝。眠れずにベッドに横たわっていると、隣の部屋のドアの音がした。
(朝練行くのかな。。。)
ほとんど寝ていないはずなのに、身体は軽く見つからないように雅也の後を追った。
窓から練習している姿が見える。
奈帆は新しいノートに朝練の内容を書き込みながら真剣な雅也を目で追う。
しかし、次の瞬間。。。
゛バンっ!!゛
ボールを地面に叩きつける。
昨日の部活の時もそぅだったがたまに集中力に欠ける時があった。
すると雅也は練習を止めて中に入ってくる。
奈帆は慌てて部屋に戻った。
部屋に戻り学校の用意を始め、朝食へ。
にこやかな藤堂さんが
「おはようございます。あれからおやすみになられましたか?」
奈帆の顔を見ながら小さな声で。
「寝不足のようですね。お身体は大丈夫ですか?こちらもお飲み下さい。」
と差し出されたフレッシュジュース。
藤堂は奈帆が眠れなかった事を察して用意していた。
「ありがとうございます。。。」
ジュースを持ち席に着くと雅也が入ってくる。
どこか元気が無く、表情も暗かった。
すると
「俺。。。先行くわ。。。」
ポツリと出た言葉に奈帆は
「え。。。あ、うん。。。」
そう答えてしまってから、
(乗れ!。。。早くしろ!。。。ここから歩くぞ。。。)
今までの雅也の言葉が何度も蘇る。
先に席を立った雅也。
奈帆は座っていない雅也の椅子をしばらく見ていた。。。
教室に着くとめぐか駆け寄る。
「ちょっと!奈帆!早く来て!!」
めぐに引っ張られるまま向かうと。。。
「誰に言ってんだ!?」
雅也の罵声が聞こえた。
(マズい!!)
明らかにイラついての八つ当たりみたいに同級生に喧嘩をふっかけている。
「止めて!」
奈帆が雅也を後ろから掴み
「マネージャー命令です!今すぐ手を離しなさい!」
殴りかかろうとしていた雅也の手が止まる。
相手を離すと雅也は行ってしまった。
「本当にごめんなさい。」
奈帆は深く頭を下げ雅也を追いかけた。
しかし、雅也は教室には居なく。。。
探しまわって最後に屋上に行った。。。
(まさかね。。。)
屋上のドアを開けると横になり空を見上げる雅也がいた。
しかしその顔はとても悲しい表情だった。。。