第3章 ~夏がはじまる!~彼が急接近☆★☆
パジャマは着ていたものの、濡れた髪に胸元が広め。。。
鏡越しに見える自分の姿にまた恥ずかしくなる。
一方。。。
雅也は冷静を装ったもののかなり動揺していた。
(謝ったけど。。。もぅ一度様子みて謝るべきか。。。)
悩んだあげく雅也は隣の奈帆の部屋の前まで来てしまっていた。
(さっきはゴメン!さっきはゴメン!。。。)
何度も心の中で練習する。
(よしっ!!)
ドアを優しくノックする。
すると中から返事は無く
「開けるぞ。。。」
ゆっくりとドアを開けて中へ入ると机で寝てしまってる奈帆がいた。
「たくっ!風邪引くだろーが。。。」
奈帆をひょいっと抱き上げベッドへ連れて行く。
スヤスヤと眠る奈帆の顔を見つめそっと横に腰を下ろす。
奈帆の頭を撫でながら
「さっきはゴメンな。。。あといつもゴメンな。。。俺も素直になれてないよな。。。」
そぅ言って頭から手を離すと。。。
「・・・や先輩・・・」
はっきりと聞き取れなかったが雅也には誰かわかった。
机に何気なく目をやると野球のルールブックが広げられていた。
(俺。。。何やってるんだろ。。。)
そぅ思いながら奈帆の部屋を後にした。
翌朝、早めに目が開き辺りを見回す。
(あれ?机に居たよぅな。。。?藤堂さんかな?)
自分がベッドに居ることが不思議だった。
早めに支度をして歩いて行こうと決めていた奈帆は
(ちょっと早いけど用意しよ。。。)
寝ぼけた頭を起こす為に顔を洗いに行こうと廊下を歩くと遠くから奇妙な音が聞こえたので気になって突き当たりの窓まで向かう。
窓の外を見てみると
(雅也くん。。。朝練してたの?)
朝から真剣な表情で走る姿から目が離せないでいると。。。
「おはようございます。良くお休みになれましたか?」
藤堂が後ろからやってきて外を見るなり
「雅也様は、毎朝あのように1人で練習なさってます。しかし皆様が起きる前には止めてしまうので知られたくないのかもしれませんね。」
そぅ言って藤堂さんは行ってしまった。
(天才ストライカー。。。ちゃんと努力した結果なんだ。。。)
今まで思っていた雅也の印象からは想像もつかなかったが、奈帆は雅也を見ている事しかできなかった。。。