第3章 ~夏がはじまる!~彼が急接近☆★☆
2人が並んで教室へ向かう。
周りの生徒からあれこれ言われているのが耳にはいった奈帆は、
「本当に困る!あんたといると目立って!」
啖呵を切るよぅに言った。
朝からのイライラが爆発。
雅也を睨みつけるとそのまま奈帆は教室へ向かった。
教室に入るなりめぐが駆け寄ってきた。
「雅也の専属になるんだって~!先週は一弥先輩だったのに?」
状況を知らないめぐは不思議そうな顔で奈帆を覗く。
「ちょっと。。。」
珍しく奈帆はめぐの腕を掴み誰もいない階段まで連れて行った。
そして一部始終をめぐに話す。
「そっか。。。ある意味災難?でも話してくれてありがとう!」
と、笑顔が見えた。
「ゴメン。。。黙ってて。。。」
奈帆が言い切らないうちにめぐは
「でもね、見ていて感じたんだけど。。。雅也の奈帆を見る目。。。大切なものを追いかけるよぅに優しい目だょ。あーやって人の目を引く所もあるけど、奈帆が素直に嫌って言ったら嫌がることしないと思う。秀明もあんな雅也見たこと無いって言ってたし。。。」
いつもふざけるめぐか真剣に話す。
「だと。。。いいんだけど。。。」
と少し考えを整理する奈帆。
「実は。。。私も秀明に誘われたんだよね。。。専属。。。だから奈帆と同じくお試しをお願いしてみるね!」
とやっぱり無邪気なめぐ。
「ありがとぅ。。。」
何かあったんだと察した奈帆。
一言しか出なかったが、少し救われた気がした。
昼休み。
秀明に話すめぐの姿が見える。
(多分朝の話しかな。。。?)
でも2人はいつも笑っていて楽しそうな感じがする。
それに引き換え。。。
少し嫌な事を忘れよぅとイヤホンを耳に入れよぅとした時。。。
゙バサッ!!゛
一冊のノートが机に置かれる。
横を見上げると雅也が立っている。
「何か?」
奈帆が聞くと
「今日から部活だから、終わったら部室に来い。中見とけよ。」
そう言い終わると雅也は席へ帰って行った。
中を見てみると練習内容や動き方など細かく書かれている。
最後のページの一番下に
『 朝 は ゴ メ ン 』
たった一言だけど書かれていた。
奈帆は複雑な気持ちのまま力強い字を眺めていた。