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私はSですが?何か?①

第3章 ~夏がはじまる!~彼が急接近☆★☆


どのくらい歩いただろぅか。。。
2人が着いたのは住宅街を抜けて高台にある公園だった。。。
展望デッキがあり、町が一望できる。
ちょうど夕日に赤く染まった景色が一面に広がった。
「綺麗~!こんな所が有ったんだ~!」
心の声が思わず声に出ていた奈帆。
「俺さ、試合に負けたり迷ったり悩んだりしたときは必ずここから夕焼けをみるんだ。そして考えて時間が経つと。。。それは後からのお楽しみな。」
と遠くを見ながら優しい横顔。。。
「足、大丈夫ですか?」
奈帆は気になったことが素直に言えるよぅになっていた。
夕焼けのせいもあり、ほんのり赤く染まった一弥先輩の顔。
満面の笑みで
「てか、テーピング!スゴくね?昨日より朝腫れが引いてるし、今も痛くない!こんなことできるなんて正直思わなかった。。。ありがとな。。。」
ちょっと下を向きながら照れているのか目を見ない。
「良かったです。酷くならなくて。」
安心したように奈帆はまた夕焼けを見た。
お互いに言いたいことはあるはずなのに無言のまま夕日は完全に沈んだ。
沈黙を破ったのは一弥先輩、
「寒くね?あと少しだから。。。」
と奈帆の肩を寄せた。
ビックリした奈帆はちょっと後ずさりしたとき身体が傾いてバランスを崩してしまった。
「危ねー!!」
奈帆を庇うよぅに頭の後ろに手を添えた状態で芝生の上に倒れた。
奈帆の上に覆い被さる一弥先輩。
真剣な眼差しが上から注がれる。
次の瞬間、一弥先輩の顔が近付いてくる。
突然の事に奈帆は顔を背けると
「ごめん。。。」
一弥先輩の低い声が奈帆の胸に響いた。

手を引かれながら起き上がると
そこは一面の夜景に変わっていた。
「これも綺麗。。。」
奈帆は夜景に見入っていた。
すると後ろから一弥先輩が抱きしめてきた。
「さっき、嫌だった?」
耳元で聞こえる低い声に身体がジンジンとしてくる。
心臓が今にも飛び出しそうなくらいの鼓動。。。

返事を出来ないまま2人は夜景を見た。
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