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私はSですが?何か?①

第1章 ~春~入学と出会い


校舎に入るとたくさんの新入生がボードを見ていた。
「私のクラスは・・・?」と奈帆が人集りをかきわけて行こうとするとどこからともなく女子の「きゃ~!」とゆぅ声が響いた。
「きゃ~!雅也さま~!」と女子の視線を追う奈帆。
「えっ?!」
視線の先にはさっきリムジンから降りてきた姿がはっきりと見えた。
「よぉ!さっきの態度はなんだ~?謝ってるのによぉ~!!」
雅也が奈帆の前に立ちはだかり上から見下ろした。
あまりのことに固まってしまった奈帆。しかし完全無視。
(こぅゆぅのってどぅなの?人気者だからって!)
奈帆の心の中では否定の言葉しか浮かばない。
周りにいた女子は
「なんなの女!」「雅也さまの知り合い?」
とザヮザヮとしながら奈帆に冷たい視線を送る。
(クラスを見つけて早く立ち去らなきゃ!)
奈帆はまたボードに視線を向けると
「奈帆~!遅かったじゃん!」
と聞き慣れた声がした。
「あっ!めぐ!」
めぐは奈帆と幼なじみで高校も一緒に行こうねって約束をしていて2人とも無事合格。
少し安心したよぅに奈帆がめぐの側に行く。
「奇跡的に同じクラスだょ♪小学校以来じゃない?」とめぐが無邪気に笑う。
「そぅなんだ~!よかった・・・」
と奈帆は安心した。
しかしその場の雰囲気にめぐは何かを感じ2人でクラスに急ぐのだった。

クラスに新入生が揃い担任が名前を読み上げる。
「雅也!」
「はい。」
朝騒がれていた雅也も同じクラス。
ふと奈帆は返事のした斜め後ろを見ると雅也がこちらを睨んでいた。
ハッとして前を向いた奈帆。
(なんなの?!私なんかした?)
とは心では思っても雅也の睨んでいた視線が脳裏に焼き付き離れなかった。

「もうすぐ入学式が始まるからトイレを済ませるよぅに!」と担任が言うと奈帆はめぐとトイレへ立った。
トイレには化粧や髪型をチェックする女子で溢れていてなかなか入れない。
するとめぐは
「なんか凄いから先に戻るね!」
と教室へ行ってしまった。
奈帆がトイレを出ると辺りは静まり返っていた。
(ど、どぅしよぅ。。。)
「とにかく体育館へ行こう!」と奈帆は分からない校舎を早足で歩き出した。
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