第3章 ~夏がはじまる!~彼が急接近☆★☆
2人残された夕暮れの教室。
「これでいいのか?」
立ったままの奈帆に寄りそっと頭をなでる。
ゴツゴツとした不器用な手から感じる優しさ。
「うん。。。いい。」
すると一弥先輩は無邪気な笑顔になり顔を覗き込んで。。。
「おし!じゃあ部室案内するわ!」
あまりにも近い顔、顔が熱くなり鼓動が高鳴った。
(綺麗な目だなぁ。。。)
吸い込まれそぅになっていると、手をとられ
「行くぞ!!」
引っ張る一弥先輩にただついて行くだけだった。
部室に着くと
「これ、俺のロッカー。お前も使っていいから。あとは。。。」
色々と説明を受けてると部員が戻ってきた。
「あれ~?一弥先輩サボリっすか~?」
口を揃えて言った。
「いや、マネージャー体験?みたいなもんかな?コイツたから、名前は奈帆。イジメるなよ~!」
一弥先輩が部員に紹介する。
奈帆は
「宜しくお願いします。」
軽く頭を下げる。
「さて、着替えるかな~!」
と言うと制服を脱ぎだした。
「あのっ!私は?」
慌てて後ろを向いて訪ねる。
「すぐ終わるから待って!」
後ろで着替える一弥先輩が、
「これ、俺のユニホーム!」
着替えは途中だが制服と違う印象。。。
(こっちの方が似合うんだ。。。)
奈帆は頭から足まで眺める。
そして1冊のノートを渡された。
「ここには毎日の練習内容、足りない事何でも書いてある。今日から1週間頼むな~!」
砂混じりのノートをめくるとぎっしりと書き込まれていた。
(こ、こんなに?)
驚きのあまり見入ってると、
「とりあえず練習内容だけ。後は本音書いていーぞー!(笑)」
ちょっと冗談混じりに言いながら
2人は球場へ向かった。
何を書いていいか分からず、前のページを読んでいると。。。
「え~!!一弥先輩専属付けたの~!」
マネージャーたちがジロジロ見ながら話す。
(まただ、この視線。。。)
奈帆は練習を見ながら書き込む。
時間はたちまち過ぎていった。
練習が終わり一弥先輩を待っていると、部員の声が聞こえてきた。
「あの野球しか考えてなかった一弥先輩が専属だってよ~!今まで邪魔だから要らない!なんて言ってたのにさ~!」
部員全員が驚いているよぅだった。。。
(私。。。いいのかな。。。?)
何もできない自分に少しイライラしながら一弥先輩を待っていた。。。
