第3章 ~夏がはじまる!~彼が急接近☆★☆
日差しが強くなって、夏の始まりを告げるのは部活の活気。。。
それぞれの部活が大会を前に気合いの入った練習。。。
奈帆はめぐと帰り道にサッカー部と野球部の見えるベンチに座って話すのが日課になっていた。
「あ~。。。今回の古文のテスト最悪だぁ。。。」
文系の苦手なめぐはガックリ。
奈帆は理系が苦手。
ベンチに座りながらめぐに勉強を教えていると遠くから。。。
「危なーい!!!」
座っているすぐ近くに野球部の球が飛んでくる。
幸い当たらなかったが転がったボールを拾う奈帆。
「すいません。ケガなかったですか!!。。。あっ。。。」
慌てて走ってきたのは一弥先輩。
奈帆も一瞬顔つきが違うのでわからなかった。
「キャッチャーなんですね。」
奈帆はボールを手渡した。
すると一弥先輩は
「日曜日に地区の強豪校と練習試合がある。
ここでやるから。ぜってー来いよ!」
返事も聞かず一弥先輩は走って行ってしまった。
ベンチに戻るとめぐはニヤニヤしていた。
「なぁあにぃ~?いつの間にぃ~?」
興味津々のめぐは奈帆にすり寄ってきた。
「そーゆーんじゃない!!そんなんなら教えません!」
奈帆は強く言い切った。
「えぇぇぇ~!も~奈帆のケチ~!」
ワーワー騒いでいるめぐの隣でふとサッカー場をみると1人こちらを見ている選手がいた。
(あ。。。)
遠くからでも分かる。
雅也だと分かった奈帆は目が合ってしまいすぐに目を伏せた。
(また睨んでた。。。)
奈帆は何故だか理解出来なかった。
しかし嫌な感覚は全くなかった。。。
次の日、
音楽室に移動していた時忘れ物に気が付いた奈帆は教室へ戻った。
すると教室には雅也がいた。
忘れ物を取り急いで教室を出ようとした瞬間雅也に腕を掴まれた。
ビクッとなって雅也を見ると
「おまえ、一弥先輩とデキてんの?」
奈帆を真っ直ぐ見た目はまた睨んでいるよぅでどこか寂しかった。
「離して!遅れる!」
雅也を振り切り震えた身体で精一杯走って行った。
教室に残った雅也は
「くそっ。。。」
奈帆が走って行く姿をただ見ていた。。。