第6章 レッツゴー、アクアリウム!
順路にそって見て行くと、途中に大きな柱が何本か見えた。
近寄って見ると、その柱も水槽になっていて、その中にいるのはクラゲなどが中心らしい。
水槽の中にはカラフルなライトが入っていて、水槽中がキラキラと輝き、クラゲのヒラヒラがフリルみたいに漂って、それはそれは綺麗だった。
私がクラゲの水槽に見入っていると、私の服の袖をチョイチョイと誰かが引っ張った。
振り返ると、そこにいたのは紫原。
紫原
「ね~楓ちん、あれ何?」
そう言って指さしたのは、とっても小さな何か。
『ああ、クリオネだな』
紫原
「クリオネ?何か、ゼリーみたいで美味しそうだね〜」
『はは、紫原はお菓子のことばっかりだな。
クリオネは『流氷の天使』って呼ばれてる生き物なんだぞ。
ほら、羽を広げた天使みたいな形をしてるだろ?』
紫原
「ほんとだ〜!可愛いね〜」
『な~!』
クリオネの水槽の前に並んで、紫原と笑い合う。
ちょっとしたことだったけど、なんだか紫原と一歩近づけた気がした。
桃井
「(2人の方が天使だよ…。癒される…)」
青峰
「おいさつき…めっちゃブスになってんぞ」
桃井
「も〜!大ちゃんうるさい!今イイトコだから黙ってて!!」
青峰
「はぁ!?」
さつきと青峰がじゃれているのを聞いて(内容はよくわからなかったけども)、私は意識を次の水槽に向けて歩き出した。