第6章 レッツゴー、アクアリウム!
『な、ナマコがぁ……!』
心配そうなにこちらを見てくれているさつきに、涙目になりながらそう訴えた。
桃井
「もしかして楓ちゃん…ナマコ、だめなの?」
その問いに、首が取れてしまうんではないかというくらい、ブンブン!!と大きく頷く。
『ぐ、グロいのは、駄目なんだ……!!
お願いさつき、これとって……』
手のひらのナマコをさつきに向けて差し出すと、さつきは若干困惑しながらも、プールに戻してくれた。
『ありがとう、さつき』
桃井
「どういたしまして!」
緑間
「大丈夫か?橙野。
すごい悲鳴だったのだよ……」
紫原
「大丈夫?楓ちん」
青峰
「橙野にもあんな女子っぽい悲鳴出せるんだな!」
一人ずつ、そう声を掛けてくれる。
青峰に関してはちょっとズレているけれど、まあ奴なりに心配しているんだろう。
自分でもまさか咄嗟にあんな悲鳴が出るとは思っていなくて、今若干引いているから、特に怒ったりはない。
一度呼吸を整えて、みんなに言う。
『みんな、心配させてすまない。私は大丈夫。
お恥ずかしい限りだ……昔からグロいのはダメで。
特にヤバイのはゾンビとかスプラッタとかだけど、ナマコも無理なんだよな…。
なんか、臓器に似てるから』
桃井
「そうなんだ……」
『ああ。
でも、いつも征が気を使って近づけないようにしてくれて……』
ん?待てよ?
今私の手にナマコを置いたのって……