第6章 レッツゴー、アクアリウム!
赤司
「俺と楓は家の関係上、注目されるのは慣れているからね。
これくらいなら、特に気にはならないよ」
幼い頃から、パーティーなどに無理矢理参加させられていた。
『TONOグループ』である以上、注目されるのも仕方ない。
親は嫌いだが、文句を言われるのも面倒で、そういった社交の場では大人しくしていた。
征と「仮」婚約してからは、「公表していないとはいえ『赤司財閥』に迷惑はかけられない…」という気持ちが大きかったけれど。
桃井
「そっか、赤司君も楓ちゃんも、お家で大変なんだもんね」
さつきは結構知識が多いから、私と征が『TONOグループ』と『赤司財閥』の関係者だと知っていたらしい。
知っていても普通に接してくれていたのかと、私は内心ちょっと感動していた。
今日はさつきにめっちゃ優しくしよう。
緑間
「赤司と橙野が平気だろうと、俺には耐えられないのだよ…」
桃井
「ご、ごめんミドリン…」
赤司
「まあまあ、どうせ後ひと駅だ。
それくらい我慢してやれ」
諌めるように笑う征。
それによって諦めたのか、緑間は「わかったのだよ…」とため息を吐いた。