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【黒子のバスケ】褪せないオレンジ

第5章 帝光祭、開幕!





『つ、疲れた…』


無事に劇が終わり、着替えも済ませた私達は、体育館裏で涼んでいた。


慣れないことをしたものだから、疲労がハンパない。



赤司
「お疲れ様」


そう声をかけてくれる征は、自分も同じ劇に出ていたというのに、全然疲れているように見えない。


『…征はすごいな』


赤司
「どうしたんだい?いきなり」



『だって、同い年で幼なじみなのに、こんなにも差がある。
征がいつも頑張ってる証拠だろ。

私はまだまだ、全然敵わないんだなぁ…』



空を見ながら言うと、征は戸惑った風に顔をポリポリとかいた。



『どうしたんだ?』


赤司
「いや、この流れで褒められるとは思ってなかったからね。
楓はそういうこと、突然言うから」



『だって、思ったんだから仕方ないだろ!』



赤司
「そう言われるのは嬉しいよ。
でも俺もまだまだだし、俺は楓の方がすごいと思ってる。
楓は、俺に出来ないことをやってのけるから。

…たぶんそれは、今後も変わらないんだろうね」



『…征』



征はあまり、思ってることを言わない。


だから、少し本音を漏らしてもらえたみたいで嬉しかった。




『ありがと』



照れくさくて、それしか言えなかった。





なんだか、思わずしんみりした空気になってしまったな。


ああ、そうだ。




『なあ、征。将棋部に行かないか?
たしか将棋部で、将棋大会をやっているはずだ。
勝ったら豪華賞品が貰えるらしいぞ?』



赤司
「へえ、面白そうだね?」



『ああ。征なら勝てるだろ。
どうだ?』



赤司
「いいよ、行こうか」



その後、征は将棋部はおろか、囲碁部、チェス部、etc…


の、全ての大会で優勝してしまい、

抱えきれないほどの賞品と


『皇帝』という称号を手に入れたのだった。






ちなみに、劇で赤司(皇帝)の相手役をしていたという理由で、
楓もこの頃から影でこっそり


『女帝(エンプレス)』と呼ばれるようになっていたのだが



…それを楓本人が知るのは、まだまだずっと、先のこと。




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