第5章 帝光祭、開幕!
『もうすぐ帝光祭か…』
帝光中学校学園祭、『帝光祭』まで残すところあと1週間。
私たちのクラスは劇をやることが決まっていた。
私は裏方。
手先が器用なので、仕事量が多くほかの女子には大変そうな衣装係を引き受けた。
か弱い女の子にキツイ仕事はさせられないからな。
衣装のほうはもう完成しているし、あとは最終調整を残すだけとなっている。
ちなみに、征はと言うと…
女子
「赤司くーん!通しやるから準備してくださーい!」
赤司
「わかった、すぐ行く」
なんと、劇の主役を任されたんだ!
今回やる劇は、クラスの子が書いたオリジナルの脚本。
ある国の皇帝がお姫様に恋をして変わっていくという笑いあり、涙ありの大作だ。
私も1度読ませてもらったが、なかなかに面白い。
それに、征にぴったりの役だ。
衣装合わせももうしたが、皇帝という役なだけあって、似合わないはずがない。
(むしろ、征に似合い過ぎていて自分の腕が怖かった。もちろんたくさん写真も撮った)
たぶん、今回の劇を1番楽しみにしているのは私だろう。
そんな自負すらあった。