• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第65章 星空


「みわ、スカイツリーでも見に行こうと思うんスけど」

「ホントに?」

つい、声が高くなってしまった。

東京スカイツリー。テレビでは見ていたけど、まさか行く事が出来るなんて。

「上る?」

「いや、遠くから見るだけで十分。私、高い所苦手で……」

高い所は怖い。
それと、そんなに高くなくても、足場が悪い所とかは苦手……。

「そうなんスか? まあ、周りには色々店もあるし、それじゃあ見に行こうか。
電車でも歩いても行けるけど、どうする?」

「体力つけるために、歩いていこう」

「承知したっス、マネージャー」



「そういえば、浅草寺のおみくじって凶が出やすいみたいっスよ?」

「そうなの?」

「出やすい、っていうとちょっと違うみたいなんスけど、昔ながらの割合で入れられてるんだって。
逆に、他の寺社は凶とかの割合を減らしてるだけなのかもしんないっスね」

「へえー、そうなんだ」

「みわってなんかおみくじ運悪そう」

「ええ、何それひどい! ……確かに、大吉出た記憶とかあんまりないけど」

「ほらやっぱり」

けらけらと笑う涼太の髪に陽の光が差して、更にキラキラしている。

思わず眩しくて目を細めた。

「涼太は大吉ばっかり出てそう」

「まあ、生まれ持ったものがあるんスかね」

「……」

「ん? 怒った?」

「あ、違う。怒って、ない」

「いい男すぎて見惚れちゃった?」

「……ばか」

全部分かってるくせに。でも、こんなやり取りが楽しい。

涼太と居ると、会話が途切れない。

流石に女の子慣れしているだけあって、話題は常に違うものだし、退屈もしない。

勿論ずっとな訳でもないから時々会話の谷間みたいなものはあるけれど、それでも気まずかったりする事がない。

この空気が気持ちいい。

楽しい。この時間がずっと続けばいいのに。



特別な所に行かなくても、あなたとこうやって一緒に過ごした事が、何よりもたいせつな想い出。



/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp