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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第14章 花火


台所まで肩を掴んで電車ゴッコ。
(オレ1人でやってるだけっスけど……)

「あー……いい香り……」

「みわっち、何飲む? コーヒー? 冷たいモノのがいいっスか?」

「ん……コーヒー……がいいかな……ぎゅーにゅー……いれて……ほし……」

「了解っスよ。めちゃくちゃ眠そうだけど大丈夫っスか? まだ寝とく?」

ぐらぐらと船を漕いでいる。
既に寝てない?

「……だいじょぶ」

「そうスか? ハイ、ドーゾ」

「いただきます……」

「そうだ、みわっち、食事終わったらストレッチ手伝って欲しいんスけど……」

「ストレッチ……うん、分かった。食後少し経ってからの方がいいね。あと、水分多めに取っておいてね」

「さっきまでの寝ぼけ声がウソのように、スイッチ入ったっスね!?」

面白いなあ、みわっち。

「おいしい、ありがとう」

「みわっちはいつも、朝食ってどうしてるんスか?」

「あ、私は……冷凍しておいた鮭焼いて、小鉢と納豆、海苔、お味噌汁とかかな? 1人だから結構テキトーだよ」

「和食、いいっスね!」

「おばあちゃんがずっとそうだったからね、なんとなくだけど……」

「じゃーみわっちがオレんち泊まったら、今度作って貰おうっと」

「……?」

「オレ、ひとり暮らしさせて貰おうと思ってて。実家からじゃ移動時間がかかっちゃうし。やっぱり、ギリギリまでバスケしてたいんス、今」

「そうなんだ……!」

「親にはお金苦労かけちゃうっスけど、そこはまあ、出世払いってことで!」

「もう部屋決めたの?」

「ネットで探してるくらいなんスけど、ちょうど良さそうなトコがあって。
なんか、タイミング的にみわっちと同じ部屋にすれば良かったっスね」

「……同じ部屋?」

「一緒に暮らすんスよ」

スープを吹きそうになるみわっち。
まだまだハードル高かったっスかね。

もし一緒に住んだら……と、今日の夢みわっちが脳裏に浮かぶ。

セリフはアレだったけど、顔はいつも見てるみわっちの気持ち良さそうな顔だったから、凄く興奮した。

(だから朝からやらかしたんだけど)

ダメダメ。夢の中で激しく抱くとかすげー汚してる感じする。
ごめん、みわっち。


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