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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第64章 魔性の女


「ねえ、みわ。
約束しよう、困ったことがあったらすぐに相談して。

怖いこと、悲しいこと、辛いこと。
勿論嬉しいこともだけど、悩む時はなんでもオレに相談して。

オレ、なんでも聞くから。
もしかしたら力になれないこともあるかもしんないっスけど、それは努力でなんとかする。

だから、お願い。
絶対に、ひとりで悩まないって、約束して」


こんなの、ただの束縛。

みわを安心させたいんじゃない。
みわを守るため、って体よく言っているだけで、ただオレがみわを束縛したいだけ。

オレが安心したいだけだ。


お祖母さんと約束したこと、オレはどこまでみわに伝えられるんだろう。

今、恋を、愛を、みわと同じ気持ちで共有できているのだろうか。

こんなこと言って困らせるだけだって、分かってる。

誰も分からない未来の事を無理矢理約束させるように仕向けて。

こんな約束しなくたって、オレが何も言わず守ってあげられるようになりたい。


……でも、正直に言うと自信がない事もある。

ガキなオレが、どこまで彼女の気持ちを分かってあげられるか、不安で仕方ない。

だから、『うん』って言って欲しい。

なんでもオレに相談して欲しい。

困難に立ち向かうなら、ひとりよりふたりでしょ?

ヒロインのピンチにヒーローは助けにくるものなんスよ。

オレは、アンタだけのヒーローになりたいんスよ、みわ。


それで、みわを暗闇から救ってあげたい。

愛と、夢と、希望と。

この世の中にある美しいものを、共有したい。

ちょっと話が壮大すぎるっスか?

ああ、こんな風に考えてしまうのは熱があるせいか?

みわの全てを独占したい。


「そ、そんな事急に言われても……」

「……そうっスよね、はは」

「あ、あの、出来る限りは……努力、する」

「……ウン」


なんの確約もない口約束に縋ってしまうほど、不安で仕方なかった。


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