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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第64章 魔性の女


「おはようございます……」

翌日朝、体育館へ顔を出すと、中村先輩がシュート練習をしていた。


「お、神崎。
風邪だって? 治ったのか」

「すみません、ご迷惑をおかけしてしまって。
おかげさまで一晩寝て良くなりました」

「そうか、なら良かった。
さっき早川にもメールしたけど、黄瀬が今度倒れたんだよな」

「……え!?」

「いや、今朝寮で会った時になんかフラフラしてたから熱測らせたら結構高くてな。
今日は学校休むんじゃないか」

「えええええ!?」


うつっちゃった!!!?
だから……だから言ったのに!!!
あ、あんなキス、するから……!!

涼太の、ばか……!


「あ、あの中村先輩、病気でお休みしていたりする時って、寮では何かして貰えたりするんでしょうか?」

「いや、他の学校寮ってどうだかは知らないけど、ウチの寮は寮母さんとかいないしな。
まあ、小さな食堂はあるから、食事は困らないと思うけど」

「そ、そうですか……」


涼太、連絡くらいくれればいいのに。

……様子を見に行きたいけど、寮は女子禁制。

一昨日忍び込んだばかりで、またうまくいくとは限らないし……。


「……行くなら、手伝おうか」


パスッと小気味良い音を立てて、中村先輩の放った3ポイントシュートはゴールに吸い込まれていった。


「えっ?」

「気になるんだろ、黄瀬の事。寮に行くなら出来る限りは手伝うけど」

「い、いいんですか?」

「早川のヤツが寝坊しやがったからな、時間はあるよ。行くか?」

「でっ、でも、女子は入れないし、先輩が見つかったら……」

「既に忍び込んで泊まっていったヤツのセリフとは思えないけど」

「えッ!!」


中村先輩、あの日の事知ってたの!?

まさか、あそこで何をしていたかまでは知らないとは思うけれど、途端に恥ずかしくなって顔が熱くなるのを感じた。


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