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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第64章 魔性の女


「黄瀬」

部屋から出て鍵をかけていると、
後ろから突然かけられた声にビクッと大袈裟な程に反応した。

「な、中村センパイ、オハヨウゴザイマス」

中村センパイも、寮生活組のひとりだ。
確か部屋は、オレの近くだった筈だけど……

「お前昨日、洗濯物そのままだったろ」

「あ、センパイが持って来てくれたんスか、ありがとうございました」

この反応、もしかしたら中は見てない?
下着はネットに入れてあったし、気が付いてないかも……?

「……バレないようにしろよな」



ですよね。
ハイ、スイマセン。





今年のウチの新入部員は、超有名選手こそいないものの、なかなかの粒ぞろい。

全中で活躍したような選手も何人かいる。
去年のオレみたいに、問題児もいない。

唯一クセがあると言えば、マネージャーのあの子か。

今年こそ、インターハイ・ウインターカップ優勝だ。

その為にはエースとして、出来る限りの事をやってやる。

そういえば、今週末には笠松センパイからお誘いが来ていたな。

小堀センパイや森山センパイも来てくれるのだろうか。

新しい環境での話を聞いてみたい。

毎日会わなくなってからまだ1ヵ月も経っていないのに、物凄く久々な気がする。

そうこうしているうちに、あっという間にインターハイを迎えるんだろうな。


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